森づくりの取組

広葉樹林化へ誘導

私たちの活動の中心。筑波山水源の森づくり。

私たちのフィールドである筑波山の半分は、筑波山神社の敷地です。
その森も、スギ・ヒノキの針葉樹林が広く存在し、常に手入れが必要な状態です。

もともとの天然林は、古くから伐採と再生を繰り返し、現在では成長が早く、建材として利用できるスギ・ヒノキの人工林となっています。その人工林は、人手不足や経済的理由により手入れが行き届かず、表土流出や都市の水不足などの影響があると言われています。

また、人工林が動物や昆虫などの生態系に変化をもたらしています。広葉樹の森(複層林)には動物の食料となる木の実がなり、積もった落ち葉は地中生物を育みますが、針葉樹の単層林は、食料も乏しく動物には住みにくい世界です。

海に囲まれている日本。沿岸の生物にも影響があります。広葉樹の落ち葉が堆積し腐葉土となり、その養分は雨の水とともに川から海へ流れ込み、この養分が魚介類を豊かにすると言われています。

今も昔も、もともとあった広葉樹林は、私たちの暮らしに密接に関係し一番適しているのです。これからの森づくりは、日本の森の在り方を考えることが必要です。

筑波山から湧き出る水は首都圏の上水道、農業用水、工業用水となる霞ケ浦へと注がれます。筑波山の地下水貯留量は約4億㎥で霞ケ浦の湖水(約8.5億㎥)の約半分に相当すると言われ、まさに都市近郊の暮らしを支える水源です。

「美しく豊かな自然と暮らしを支える水源を未来へ」と2006年より広葉樹の森づくりを筑波山で開始しました。