1.第2回みどりの安全保障―「森づくりの道フォーラム」の報告             

体験発表をする茨城県立並木中等教育学校2年 田中歩さん

→森づくりの道フォーラムプログラム

 2015年1月17日(土)、第2回みどりの安全保障―森づくりの道フォーラムが、東京・京橋にある㈱イトーキSYNCAの会議室で行われました。

 昨年は全国緑化行事が筑波山鬼ヶ作国有林で初めて行われてから80年の節目の年でした。これを記念し、道普請を協働し、筑波山神社拝殿で第一回のフォーラムを開催しました。この内容につきましては、活動内容2014年の項、「1.緑化の原点に学ぶ道普請車座フォーラム開催のご案内」をご参照下さい。

 前回ご登壇頂いた方々のご意見をもっと深くお聴きしたいという要望もあり、
今回のフォーラムの開催となりました。 フォーラムの概要は下記のとおりです。
またプログラムはPDFファイルでご覧になれます。

■ 開会の辞

梶谷辰哉氏・公益社団法人国土緑化推進機構専務理事

 緑化の原点は筑波山、昨年、道普請とフォーラムが開催され、今回は2回目のフォーラムである。一見豊かな森林も現在、様々な要因から放置されている。植える、育てるの循環が必要だ。日本の国土は災害を受けやすい、安全な国土づくりに、森林をどうするか、それがみどりの安全保障に繋がるが、今回のフォーラムが日本の国土を考えるきっかけになることを願う。

須藤高志氏・NPO法人地球の緑を育てる会副理事長

  昨年の道普請は、発祥の地の第一発見者・小泉さんや、道普請の作業開始にあたり、大雨の中、お払いをして下さった筑波山神社・宮司の田中泰一さんのことが忘れられない。道普請という古い言葉であるが、道がなければ何もできない。また、森の緑は大気バランスに繋がるが、酸素と水を提供してくれる森林の恵みに感謝する。ご参加の皆様に感謝する。

■ フォーラム開催の背景=公益社団法人国土緑化推進機構・青木正篤常務理事

 古くより日本人は自然に畏敬の念を持ち、森羅万象に神を感じてきた。常に緑豊かだったわけではなく、全国に禿山が多かった。昭和24年には、挙国造林・造林こそが日本の産業、文化、経済を支え、国家再生には森づくりが必要と荒廃していた日本の山々の造林を行うようになった。デンマークでも挙国造林を行い、国民の血と汗により現在の豊かな農業国家となっている。筑波山鬼ヶ作国有林での第一回植樹祭は、現在の全国植樹祭に繋がる。現在も自然災害が多く、今、何をすべきか、温故知新、戦後のように国土基盤づくりを国民運動として発信し、広げよう。
     (※ 「道21世紀新聞」にも青木正篤常さんの記事が紹介されています)

■ 会場の提供の株式会社イトーキ・末宗浩一エコニファ開発推進室長

  オフィスに国内産材木を活用。針葉樹から広葉樹に広げ定期的に購入している。2mに切った木材を運ぶ道があれば国産の材を活用できる。それを使用することにより、地方の活性化につながる。

梶谷辰哉氏 末宗浩一氏 耳を傾けるご参加の皆様

梶谷辰哉氏

末宗浩一氏

耳を傾けるご参加の皆様

■ パネルディスカッション

  斗ヶ沢秀俊氏・毎日新聞社水と緑の地球環境本部長がコーディネートを務めるパネルディスカッションでは、次のような熱心なご発言を頂きました。(アイウエオ順)

斗ヶ沢秀俊氏(左)

斗ヶ沢秀俊氏(左)

大塚潤子氏、伴次雄氏、牧元幸一氏(左から)

大塚潤子氏、伴次雄氏、牧元幸司氏
(左から)

箕輪光博、宮林茂幸氏、青木正篤氏

箕輪光博氏、宮林茂幸氏、青木正篤氏

大塚潤子氏・株式会社東京チェンソーズ
 山を上流と下流に分けると、木材の使用方法や消費者対策などは山の下流の仕事だ。木を伐採し、植林して育てるというようなことは山の上流の仕事である。上流域の仕事を怠ると下流域の災害にもつながる。下流域の仕事同様に上流域の仕事も大切ではないか。

伴次雄氏・社団法人全国森林リクレーション協会理事長
 自然の山は大いなる資産だ。山形県の金山町は人口3000人。若い人が資金を出し合い、株式会社を立ち上げて林業経営をしている。そういう感覚と自分の山をコツコツと管理する、その双方が必要であろう。

牧元幸司氏・林野庁林政部長
 綾町や椎葉村のように日本は大変素晴らしい森を有する一方、戦後、植えられたスギ、ヒノキが70年を経て伐期を迎えている。経済林(人口林)を手入れ、伐採、植林、手入れ、伐採、植林と循環を作ることが大事。木を使うことが森を育てることにつながる。間伐と植林、木材使用に若い人が携われる仕組み作りが課題。

箕輪光博氏・公益社団法人大日本山林会会長
 明治15年(133年前)の山林会の設立以来、森林の情報発信を毎月欠かさず行ってきた。野山を駆け巡って遊んだ幼少期だが、現在、そのような体験をする子供が少なくってきている。大日本文化書道院の山本玲葵先生の素晴らしい書が展示されているが、その関、環、感の3字に尽きる。かかわって、つながって、うけとめて、この要素が今後の森づくりに必要ではないか。

宮林茂幸・東京農業大学教授
 木材が旺盛を極めた時代から1/10以下に価値が下がっている現状。どういう森林がいいのか、山の姿を把握、図面に落とし、デザインして造林する、人間社会のように年齢構成あっての森にするには、科学技術、民間、いろんな人々の協力が不可欠だ。産業としての林業は地域の中での小さな木材の活用も大事で、日常の中で木を使うということは人々の意識の向上に繋がる。

青木正篤氏・公益社団法人国土緑化推進機構常務理事(オブザーバー)
 都市と山村の交流では、地域の人と一緒に活動することが大切で、地域とかかわりのない人が出ていってというのは芳しくない。森林体験のない人が増えている。都心が群馬県の恩恵を受けていることなど、県をまたがってその関係を知り、その事実を発信することが大事。どんぐりを播いて育てるなど子供たちの体験を通しての森づくりなど、木を植えることは人の心に木を植えることで、人を育てていく。

 

活動発表をするNPO法人時ノ寿の森クラブ理事長松浦成夫氏

活動発表をする NPO法人
時ノ寿の森クラブ理事長松浦成夫氏

■ 各団体の活動発表

東京農業大学
NPO法人時の素の森クラブ
毎日新聞社
NPO法人地球の緑を育てる会

以上の4団体の活動発表がそれぞれ3分間でなされました。

 

 

体験発表をする茨城県立並木中等教育学校2年 田中歩さん

体験発表をする茨城県立並木中等教育学校2年

田中歩さん

■ 子供たちの体験発表

田中歩さん・茨城県立並木中等教育学校2年
 自分の幼稚園の頃の夢は広大な土地を買って、そこに沢山の木を植えること。今、筑波山の植林や道普請、苗を育てる圃場のお手伝いなどの経験をさせて頂き、自分の夢だと思っていたことが、一歩、一歩実現していくようで、とても面白い。これからも参加して学習させて頂きたいと素直な言葉で語りました。

 

日本文化書道院玲書館の生徒さん4名(東京都世田谷区在住)
 実際に森に入って丸太を運び、川の沢ガニに触れ、樹に巻きつくツルの切取りなどの体験を、現場ですぐに間伐材利用の板に得意の毛筆で書き下ろした生徒さんたちは、森のいきいきとした体験を発表、書はロビーに展示されました。

体験発表をする日本文化書道院玲書館の生徒さん 日本文化書道院玲書館の生徒さんの作品 日本文化書道院玲書館山本玲葵主宰の書

体験発表をする

日本文化書道院玲書館の生徒さん

日本文化書道院玲書館の生徒さんの作品

日本文化書道院玲書館
山本玲葵主宰の書

 

■ 総括講演・畠山重篤氏・NPO法人森は海の恋人、国連フォレストヒーロー

講演する畠山重篤氏

講演する畠山重篤氏

 気仙沼の牡蠣養殖業者として27年前から山に木を植え続けてきたが、縦割りの学問でなく、トータルに物事を捉える学問分野の必要性から森里海関連学という学部を作った京都大学からの依頼で大学の教授になった。学生は今、現場に積極的に参加、現場に触れる体験が学問に必要であることを感じる。

 北海道大学教授の松永勝彦先生からは鉄分の研究が環境問題につながることを学んだ。植物が吸収できる形の鉄がつくられるのが森林、森林の腐葉土にはフルボ酸があり、これが鉄とくっついてフルボ酸鉄となり、川を下って植物プランクトンの近くに来ると、離れて鉄が吸収され、光合成が成立する。

 中国から飛んでくる黄砂の中には鉄分があり、それがアラスカあたりで海に落ちる一方、グリーンランド近くの塩分の濃い深層水は4000メートルも海中に沈んで大西洋を南下南極を回って太平洋を北上、窒素やリン酸を海中から集めながら親潮と呼ばれて北太平洋あたりに浮上、再び北大西洋に戻っていく深層大循環がある。川幅20キロ、日本の5倍の森林を有するアムール川流域のチョウセンゴヨウマツの減少は大西洋、太平洋に影響を及ぼす。森を育てることは海を守ることに繋がる。

 その他、落合直文や熊谷武雄の歌人の話、鉄の会社・新日鉄からオーストリアシャーク湾やハマースレイ鉱山の話、東京湾と鹿児島湾の違いが鉄にあることなど、盛り沢山の内容で、もっと深く伺いたい感動的なご講演でした。

■ 閉会の辞:安永正治・茨城森林管理署長

閉会の挨拶をする安永正治氏

閉会の挨拶をする安永正治氏

 役所に入った30年前は、市民から国への要求が大きい時代だった。しかし、今は環境教育の時代、木を植える、育てる、体験学習など、国と市民が協力し合ってやっていこうという時代に変わったように思う。関わる、知る、愛する、という森との関わり、そして問題提起が大事だ。


懇親会で発見に至る様子を語る小泉章三氏

懇親会で発祥の地発見に至る様子を語る
第一発見者の小泉章三氏

懇親会での畠山氏

懇親会での畠山氏

 

 

 会場横のロビーには、森林再生写真展「日本の森林いまむかし 蘇る山々の緑」が併設され、禿山状態の山々や、各地の山の今昔が数多くのパネルによって紹介され、みな真剣に見入っていました。書道塾の生徒さんの作品や、各団体の紹介パネルも添えられ、NPO法人時ノ寿の森クラブが作成した間伐材を利用してのベンチが目を引きました。

  講演会終了後、株式会社イトーキの社内見学があり、機能性を有する近代的建築の内部の要所に木材を利用、やさしさと温かさを提供し、仕切りをできる限り排除した開放的オフィスは、時代の先端をいくものでした。

 午後6時からの懇親会では、「今までに聴いたことのない深いフォーラムだった。」、「子どもさんたちの発言が素晴らしかった」、「また、この続きを聴きたい」など、前向きに捉えて下さった方々の意見が多く、今後の活動に参考させて頂ければと思います。

 ご参加の皆様、どうもありがとうございました。   

 

2.山田神社、八幡神社「みんなの鎮守の森」植樹祭開催のお知らせと報告  

 2011年3月11日の東日本大震災や津波の襲来で、大きな被害を受けた両神社の森の再生が下記内容にて行われます。どうぞ皆様ご参加下さい。参加ご希望の方はチラシ上の申込書にて一般財団法人日本文化興隆財団までお申込下さい。

山田神社植樹祭(雨天決行)

 詳細については一般財団法人日本文化興隆財団のサイトでご覧いただけます

 →山田神社植樹祭のチラシおよび申込書はこちら

日 時

平成27年5月3日 13:00~15:30 〔受付 12:00~〕

会 場

福島県南相馬市鹿島区北海老字磯ノ上

主 催

山田神社

共 催

公益財団法人日本財団

事業協力

一般財団法人日本文化興隆財団

後 援

神社本庁、福島県神社庁

監 修

宮脇昭横浜国立大学名誉教授、NPO法人地球の緑を育てる会

協 賛

株式会社伊藤園

植樹本数

3000本

アクセス

☆常磐線いわき駅または鹿島駅、東北新幹線福島駅より車
                        (鹿島駅から約10分)
☆常磐自動車道南相馬鹿島スマートインターから約20分

その他

☆汚れてもかまわない服装、靴着用。要帽子。
  雨具、水筒、防虫薬等持参あればなお良。

☆参加者全員にスコップ、軍手、絵本、お茶のプレゼント有。

みんなの鎮守の森植樹祭(山田神社)の報告

造成工事で出来あがった植栽地の一部

造成工事で出来あがった植栽地の一部

 公益財団法人日本財団は、東日本大震災で被災した神社の神社林の再生をすすめています。 横浜国立大学名誉教授・宮脇昭先生の実践する生態系に叶った森づくりの方法を採択、一般財団法人日本文化興隆財団が運営を、当会が森づくりの実際を担当させて頂いています。

 福島県内では、いわき市の見渡神社に続いて二箇所目の神社、南相馬市の山田神社の森づくりが行われました。5月3日の文化の日、雲ひとつない晴天に恵まれ、神社境内の周囲の植栽可能なノリ面部分、約600㎡にシラカシ、アカガシ、タブノキ、サカキなどの常緑広葉樹25種3000本の苗が近在から参加された約500名の皆様の手によって植えられました。

 山田神社は明治末期から30年を掛けて八沢浦300町歩を開拓して農業を推進した岐阜県の実業家・山田貞策氏の姓を冠した神社です。

 海際高台の住宅、神社、避難場所等を急襲した東日本大震災の津波により46名の氏子さんの尊い命が犠牲となりました。氏子の八沢土地改良区の皆さんは、巨大地震、津波、原発事故、そして多くの仲間を失うという筆舌を越えた苦しみの中から立ち上がり、努力しておられます。

 日本財団はご社殿の建立も支援を決定、それに先立つ植樹祭の開催でした。氏子さんたちと共に、3日間、植樹祭に向けての準備作業を行い、その後、苗が順調に生育し森を形成し始める数年後には、ご社殿を囲む鎮守の森としてその役目を充分に果たしていくことと思われます。

造成工事
3000本の苗を適切に各班ごとに
仕分けする準備作業 津波の襲来にも耐えたタブノキ

造成工事

3000本の苗を適切に各班ごとに
仕分けする準備作業

津波の襲来にも耐えたタブノキ

植樹祭前の奉告祭
巫女さんの舞 開会式

植樹祭前の奉告祭

巫女さんの舞

開会式

植樹後の藁敷き
藁敷き(遠くの白いものは海際の
コンクリートの防潮堤) 藁を敷き終わったら縄かけをして終了

植樹後の藁敷き ①

藁敷き② (遠くの白いものは
海際の コンクリートの防潮堤)

藁を敷き終わったら縄かけをして終了

八幡神社植樹祭(雨天決行)

  詳細については一般財団法人日本文化興隆財団のサイトでご覧いただけます

  →八幡神社植樹祭のチラシおよび申込書はこちら

日 時

平成27年6月14日 13:00~15:30

会 場

宮城県多賀城市宮内1-2-50

主 催

八幡神社

共 催

公益財団法人日本財団

事業協力

一般財団法人日本文化興隆財団

後 援

神社本庁、宮城県神社庁、志波彦神社鹽竈神社

監 修

宮脇昭横浜国立大学名誉教授、NPO法人地球の緑を育てる会

協 賛

株式会社伊藤園、イオン多賀城店、草刈建設株式会社、有限会社馬場工務店、黒川森林組合

植樹本数

6000本

アクセス

☆仙石線多賀城駅徒歩18分
☆三陸自動車道仙台港北インターから約10分
 (イオン多賀城店の駐車場を利用して下さい)

その他

☆汚れてもかまわない服装、靴着用。要帽子。
  雨具、水筒、防虫薬等持参あればなお良。

☆参加者全員にスコップ、軍手、絵本、お茶のプレゼント有。

 八幡神社植樹祭の報告

造成地の手直し

造成地の手直し

6000本の苗の適切な分配作業

6000本の苗の適切な分配作業

 (公財)日本財団は、東日本大震災で被害を受けた神社林の再生を支援しています。今年は前号でお伝えした山田神社(福島県南相馬市)に続き八幡神社(宮城県多賀城市)の植樹祭が6月14日に行われました。

 八幡神社は平安時代、坂上田村麻呂が多賀城八幡(現在は同市市川)に勧進し、鎌倉時代に現在地(同市宮内)に移った経緯をもち、同じく平安時代より深い関係のある鹽竈市の鹽竈神社の宮司・鍵三夫氏(宮城県神社庁副庁長)が宮司を兼任しています。

 境内には800本のスギ林があり、中には直径1mを越すものもありましたが、東日本大震災時の津波は高さ3mで押し寄せ、スギ林は全て塩害で枯死、後に伐採されました。スギ林に代わる常緑広葉樹による森の再生は同神社の震災直後からの願いでしたが、市の区画整理や嵩上げ工事、遺跡などの関係で延期され、漸く実施の運びとなりました。

 植樹全般の準備、手配、指導等を同財団から依頼された当会は、直前の準備作業のため10日から現地入り。鳥居から続くご社殿をコの字型に囲む1300㎡の植栽地の手直し、苗の分配や藁の配置など、沢山の氏子さんたちのご協力を得ながら準備を進めました。

 梅雨の走りで天候も心配されましたが、当日は植樹祭が近づくと晴れ間が広がり、絶好の植樹日和。長いことこの日を待ち望んだ市民約1000人が続々と神社に集まり、植樹の運営を任されている一般財団法人日本文化興隆財団が用意した「鎮守の森再生プロジェクト」の沢山ののぼりが華やいだ雰囲気を醸しだし、神社本庁総長・田中恆清氏、宮城県神社庁副庁長・鍵三夫氏以下、参加者全員が喜びに包まれているようでした。

 当日、植え込みのリーダーとなる氏子さん代表の方々と当会スタッフは入念なリーダー研修を行い、植え込み、藁敷き、縄掛け等がスムースに進むよう万全を期しました。1000人の参加者による6000本の植栽は1時間で終了しました。植えられたカシ類やタブノキ等25種の苗木の健全な生長を祈ります。

苗の移動に活躍する氏子さんの軽トラ 藁を敷く お子さんも藁を渡してお手伝い

苗の移動に活躍する氏子さんの軽トラ

藁を敷く

お子さんも藁を渡してお手伝い

河北新報2015年6月23日

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150623_15046.html

3.「常陽の森in筑波山」植樹祭

 常陽銀行(本店・水戸市)は本年入行した70名の新人行員の研修の一環として、筑波山での植樹を体験しました。

 3年前の寺門頭取や主だった 支店の支店長も参加しての森づくりから、翌年の新人研修プログラムとなり、今年はその2回目の実践となりました。筑波山の水源の森づくりは約375ヘクタールを有する筑波山神社林のうち、無間伐で放置されたスギ、ヒノキ林や繁茂するアズマネザサを整備、耕起作業をへて植樹するもので、新入行員は耕起作業から参加しました。

 ただ植えるだけの作業ではなく、ツルハシやクワで地中の石を移動、枯木の根を除き、植栽地を少しでも確保して全面耕起する過程は、かなりの重労働です。便利で効率的な日頃の生活環境とは違い、ゆっくりではあってもコツコツとしかもハードな山仕事を通して学ぶこともあったのではないでしょうか。

 その後、シラカシ、スダジイ、サカキ、ユズリハなど17種類600本の苗木を植え、間伐した木々の枯葉などでマルチングを施し、約4時間の活動を無事終了しました。昨年、一昨年植えた苗も健全に生長、森林の再生という長期的仕事に取組む若い世代が活躍する一日でした。

 

新緑の筑波山神社参集殿前での開会式 6班に分かれての山仕事 苗木を運ぶ

新緑の筑波山神社参集殿前での開会式

6班に分かれての山仕事

苗木を運ぶ

 

4.道普請プロジェクトのお知らせと報告(2015.7.25開催)

道普請プロジェクトのチラシ

クリックするとPDFチラシが開きます

 80年前、度重なる自然災害や、燃料としての樹木伐採で日本の主だった山々は、禿げ山だったそうです。これを憂いた林野の重鎮の方々が日本の国土強化のためには植樹であり、植樹を国民運動にしようと、茨城県筑波山鬼ヶ作の地で第1回目の植樹が行われました。

 その後、第二次世界大戦の困難な時期は中断したものの、植樹活動は継続され、現在の全国植樹祭として繋がってきています。鬼ヶ作には「全国緑化行事発祥の地」の記念碑もありますが、記念碑の存在も忘れさられ、また記念碑までの山道も荒廃しています。

  80年目の節目の年の昨年、だれもが気軽にこの地を訪れ、植樹の重要性を再認識し、植樹活動の広がりを願って、全国各地からの有志による道普請が行われました。この活動を継続しようと下記要領にて、道普請が行われます。風倒木、立ち枯れたマツの整備、東京農業大学教授・宮林茂幸先生指導による丸太階段づくり、除草などの活動です。チラシをご参照の上、皆様、是非ご参加下さい。
→チラシはこちら

 

日 時

2015年7月25日(土) 10:00~15:00

活動場所

茨城県桜川市真壁町大字羽鳥鬼ヶ作国有林内

主 催

公益社団法人国土緑化推進機構/公益社団法人大日本山林会/東京農業大学/毎日新聞社/NPO法人地球の緑を育てる会

共 催

桜川市/全国森林組合連合会/公益社団法人茨城県緑化推進機構

後 援

茨城県、つくば市(予定)、筑波山地域ジオパーク推進協議会(予定)、
筑波山神社

協 力

茨城森林管理署

集合場所

くお車でお越しの場合> 
     9:30セイコーマート真壁羽鳥店(桜川市真壁町羽鳥字石田823-1)
く電車でお越しの場合> 
     9:00つくば駅A4出口(階段を上った所)現地へ車で送迎します。

用意する物

お弁当、飲み物、軍手、作業できる服装、雨具など

スケジュール

10:00…開会式(鬼ヶ作国有林内石碑入り口)
10:30…「全国緑化行事発祥の地」記念碑へ出発(約500mの道のり)
10:45…記念碑見学
11:00…「階段づくりワークショップ」階段作りの講習
                   (講師:東京農業大学、宮林茂幸教授)
12:30…昼食
13:30…作業開始
15:30…作業終了

夜の懇親会についてはチラシで詳細をご覧ください。

申込方法

チラシの申込書を利用の上、ファックス(0297-57-1539)、メール等で7月20日までにお申込下さい。

 

 「全国緑化行事発祥の地」での道普請プロジェクトの報告

「全国緑化発祥の地」をパネルを持参して
説明する安永茨木森林管理署長

「全国緑化発祥の地」をパネルを持参して
説明する安永茨木森林管理署長

 

 7月25日(土)熱中症が心配されるような暑い日でしたが、無事、道普請の作業を終了しました。小学生、中学生、高校生からシルバーエイジまでの36名が参加。「発祥の地」記念碑前での開会式で、林野庁茨城森林管理署長の安永正治氏のお話、80年前の日本における森林の状態やその後の経過などの説明や諸注意を受けると、作業現場まで戻って、活動を開始。

クイ打ちの見本を見学

クイ打ちの見本を見学

 

 まず、東京農業大学教授の宮林茂幸先生の丸太階段の作り方の説明を受けました。周辺の倒木を利用、丸太が安定するようにその場所を少し掘起こし、設置後は留めのクイを打ち込み、階段の面に少し傾斜をつけて地ならし、落葉をかけて終了という方法です。

 小学生などクイの打ち込みは無理かと思いきや、だれもが面白くて何度もトライ、交換が必要な階段や、間隔が広くて新しい階段が必要な場所を、皆が積極的に探して次々と階段が出来上がっていきました。 マツの立ち枯れがあちこちに目立ちますが、そのうちの1本を署長の許可を得て、チェーンソー扱いの証明書を有するものが抜倒、一つ間違えれば大変なことになる危険性のある作業を、チェーンソーの音が響きわたる中、全員が緊張と万全の注意で見守りました。予定どおりの方向に倒れたマツを適切な長さに寸断、ロープを掛けて参加者が協力して引き出しました。

伐倒したマツをロープで引き上げる でき上げっていく丸太階段 子どもたちに細かな説明

伐倒したマツをロープで引き上げる

でき上げっていく丸太階段

子どもたちに細かな説明

 昔流に言えば、「オンナ、コドモにはムリなシゴト!」と一刀両断されてしまいそうな作業でしたが、昼食を挟んでの3時間半あまりの林間は、昔、どこかの村でこのような協力の場があったのではと思わせるような、年代を超えて同じことに夢中になって取組む懐かしい、暖かい雰囲気に包まれ、初めて会う人同志とは思えない協働の空間が生まれたのでした。腕に覚えのある者が、体でそれを次世代に伝える、知恵と技の伝承の道普請でした。心配した熱中症にかかる人もなく、無事下山しました。

眼下には夏祭りの山車

眼下には夏祭りの山車

  宿泊地の桜川市の宿では、25日が夏祭りの中日ということもあり、貸切状態の旅館の二階からは、4台の山車が練り歩く姿が眼下に観られ、搾れるほどの汗と疲れを湯に流して冷たいビールで乾杯の夜に、思いもかけない素晴らしいプレゼントを頂いたようでした。後日、参加の皆さんから、また是非参加したいという沢山のメールが寄せられました。10月24日(日)の作業に是非、皆様ご参加下さい。

楽しかったね!

楽しかったね!

 

5.「和興の森in筑波山」第4回植樹祭

 

スギ林の下で、育ちつつある第1回植樹地

スギ林の下で、育ちつつある第1回植樹地

  

 和興フィルタテクノロジー㈱(東京都千代田区神田)は、2005年の同社つくば工場、静岡第二工場の5回の植樹祭に続き、2012年より筑波山神社林内での荒廃する森林再生活動を行っています。

 今年は第4回となり、植樹地もこれまでの、筑波山神社林で筑波山西方の植栽地から、女体山白雲橋登り口より5分ほど登った山道右側に変わりました。第1回の植樹地の苗は、イノシシの出没で大分被害を受けながらも大きくなってきました。2m近くなり、ここまで生長すればイノシシも害を及ぼすことなく、健全に生長していくことでしょう。

 5月30日の植樹日に向けて、過密なスギ林の間伐、除草などの造成を当会メンバーやジャイカつくばの有志による支援を受けて行いました。水の道には間伐材で橋を掛けるなど、単に植える場所だけでなく、植栽地全体を整えます。

 植樹祭当日は天候に恵まれ、村上洋一会長、永原伸一社長はじめ約40名の社員とその家族が参加、耕起されて柔らかい植栽地300㎡にシイ、タブ、カシなどの常緑広葉樹900本を植えました。スギ林の間には、シラカシ、アカガシ、スダジイ、シロダモ、ウラジロガシ、ユズリハなどの実生苗が生育しており、この地がかつて常緑広葉樹の森であったことを示しています。新しい植樹地はイノシシの害もないようなので、健全な成育が期待できます。

間伐材で橋を掛ける お父さんと一緒に植えるお子さん 閉会式で挨拶する村上洋一会長(左)

間伐材で橋を掛ける

お父さんと一緒に植えるお子さん

閉会式で挨拶する村上洋一会長(左)

 

6.圃場での研修活動

 各地で開催される植樹祭に積極的に参加、リーダーなどを務めて植樹協力している「まじぇる会」(谷衛会長)(神奈川県茅ヶ崎市)と日本文化書道院玲書館(山本玲葵主宰)(東京都世田谷区)のメンバー30名は、7月11日(土)、当会圃場(茨城県つくばみらい市狸穴向長作1389)で、発芽した苗を鉢に植える鉢上げ作業や入口近くに造成された植栽地に植樹を行いました。

 これは植樹をすることが目的ではなく、植え込み、藁敷き、縄掛け等の作業を植樹祭に参加された方々にどのようにスムースにお伝えするか、リーダーとしての確認を行うものでした。その他、まじぇる会のメンバーである三宅博様(香川県三豊市)が寄贈して下さった大量の炭を植樹に活かすため、炭を砕き、ポット苗や植栽地に試験的に使用するなど、盛り沢山の作業でした。

 当日は、いきなりの猛暑日となりましたが、苗づくりから植え込みまでを体験した後は、同じく三宅さんが四国からご持参下さった大量の鶏肉や茨城県産の野菜などでバーベキュー。喉を潤し、お腹も満たされた後は、子どもたちの虫取りや、ブランコ遊び、また、玲書館の山本先生の指導により、その日体験した内容を一文字で書き下ろす書道教室の開催など、楽しい一日を過ごしました。圃場が単に苗を育てるだけの場所でなく、様々なことを様々な形で共に学び、語り、楽しむ場所になったらと思っています。

植え方の指導講習会 作業の後はBQで・・・ 青空書道教室

植え方の指導講習会

作業の後はBQで・・・

青空書道教室

毎日新聞2015年7月14日(火)

 

7.第11回筑波山水源の森づくりのお知らせと報告

第11回筑波山水源の森づくりのチラシ

クリックするとPDFチラシが開きます

 筑波山神社は筑波山中に275ヘクタールの広大な神社林を所有されていますが、一部、伐期を迎えながら放置されているスギ、ヒノキ等の過密植林やアズマネザザの繁茂、マツの立ち枯れ等で荒廃しています。

 神社との協議合意の上、2006年より林内を整備、横浜国立大学名誉教授・宮脇昭氏の指導のもと、新たに常緑広葉樹を植林してきました。合計すると32000本になり、既存のスギ、ヒノキとともに健全に生育、豊かな混交林を形成しています。

 今年も引き続き植林を行います。植林の作業の合間に参加者同志の交流時間を設け、学びと懇親の場にもしたいと思います。皆様、ふるってご参加下さい。
→チラシはこちら

 

日 時

2015年9月6日(日) 9:30~15:00

集合場所

筑波山神社参集殿前

主 催

NPO法人地球の緑を育てる会

共 催

毎日新聞社/筑波山神社

助 成

公益社団法人国土緑化推進機構

後 援

つくば市、筑波山地域ジオパーク推進協議会

アクセス

くお車でお越しの場合> 
常磐自動車道「土浦北IC」より国道125号線を直進し内町下交差点で筑波山方面へ。 筑波参道入り口を右折して道なりに。(約40分)
※有料駐車場をご利用ください。 休日はたいへん混み合いが予想されます。 時間lこ余裕をもってお越しください。

く電車でお越しの場合> 
つくばエキスプレスで秋葉原駅よりつくば駅まで約45分。 ①番パス乗場より「筑波山シャトルパスJで 神社入口下車(約40分)。神社まで徒歩10分

持ち物

・長袖、長ズボン、長靴など ・日よけ(帽子など)、虫よけ ・雨具、タオル
・お弁当 ・敷物(レジャーシー トなど)
※森づくりに必要な軍手スコップなどは、主催者こてご用意いたします。

スケジュール

受付          9:00~9:30
開会式        9:30~10:10
植栽地に移動    10:10~10:30
森づくり前半     10:30~12:00
ランチ         12:00~12:30
ランチミーティング 12:30~13:30
森づくり後半     13:30~14:30
閉会式         14:30~15:00

申込方法

チラシの申込書を利用の上、ファックス(0297-57-1539)、メール等で
9月3日(木)までにお申込下さい。

第11回筑波山水源の森づくりの報告

 9月6日(日)、第11回筑波山水源の森づくりが開催されました。植樹地は、これまでの筑波山神社から西側徒歩約15分の同神社林と異なり、筑波山神社東側、女体山白雲橋登山道登り口から約200m登った登山道右側です。戦後植えられたスギ、ヒノキ林を間伐、整備した植栽地を、参加者の皆さんが全体の土を柔らかくする耕起作業と植樹作業の両方を行うという企画です。

 当日は、予想されていた雨もふらず、参加者約100名は、登山道入口から苗木やツルハシ、クワ等を小分けして運び上げました。午前中に耕し、午後から植樹という予定でしたが、雨も心配されたので、耕起作業を終わったところから、追いかけるように植樹、その後、植栽地全面を間伐したヒノキの葉でマルチングをする方法に変え、土が軟らかかったので、午前中には全ての作業を終えることができました。植えた樹木は500㎡に16種1000本、シラカシ、ウラジロガシ、アカカシ、スダジイ、タブノキ、ヤマザクラ、クスノキ、ヤマモモ、ユズリハ、カクレミノ、モチノキ、ヤツデ、ヤブツバキ、ネズミモチ、シロダモ、サカキです。

間伐作業
整備作業
藤原一繪先生

間伐作業

整備作業

藤原一繪先生

 植栽地現場の土留めの丸太などに腰を下ろしてのランチミーティングでは、まず、(公社)国土緑化推進機構・青木正篤常務理事に、戦前、戦後にまたがる日本の国土の荒廃や、それに向けて国民運動として立ち上がった緑化推進運動の歴史、今後の経済的立場から見る林業の在り様について、また毎日新聞社・水と緑の地球環境本部繋がる森づくりプロジェクト担当部長・山本悟氏からは、各地で活躍する森づくりの仲間を繋げて多くの樹木を植樹していくプロジェクトについて語って頂きました。

 その後は、ご参加頂いた常陽銀行、アステラス製薬㈱、土浦ライオンズクラブ、筑波山ジオパーク推進協議会、まじぇる会、グリーンフレンドジャパン、明るい社会づくり筑浦協議会、ジャイカつくばの皆様からの植樹祭参加への想いや意義などを語って頂きました。また、首都圏や筑波山周辺都市からご参加の皆さんのご発言も頂きました。最後に総評として藤原先生からは、単に植樹するだけでなく、それ以前の造成の部分から参加者の皆さんに体験して頂く筑波山の森づくりを長く続けていることを評価して下さいました。また、落葉等で土壌生物が活発になり、それとともに樹木も豊かに育つこと、単一植物ではない多様な樹木による豊かな森の生長に寄せる期待等を話されました。長もちする水源の森の植樹祭は、午後3時に散会しました。

耕起作業 植える 植える

耕起作業

植える①

植える②

9月8日(火)の毎日新聞にこの活動の記事が掲載されていますので、ご紹介します。
(なお紙面に掲載されていたレイアウトを切り貼りしていますので、ご了承ください。)

第12回筑波山水源の森づくりのチラシ

クリックすると拡大します

 

8.第12回筑波山水源の森づくりのお知らせと報告 (午前中からの開会に変更になりました!)

第12回筑波山水源の森づくりのチラシ

クリックするとPDFチラシが開きます

 筑波山神社は筑波山中に275ヘクタールの広大な神社林を所有されていますが、一部、伐期を迎えながら放置されているスギ、ヒノキ等の過密植林やアズマネザザの繁茂、マツの立ち枯れ等で荒廃しています。

 神社との協議合意の上、2006年より林内を整備、横浜国立大学名誉教授・宮脇昭氏の指導のもと、新たに常緑広葉樹を植林してきました。合計すると32000本になり、既存のスギ、ヒノキとともに健全に生育、豊かな混交林を形成しています。

 今年も引き続き植林を行います。植林の作業の合間に参加者同志の交流時間を設け、学びと懇親の場にもしたいと思います。皆様、ふるってご参加下さい。
→チラシはこちら

スケジュールが諸般の事情により、午後からの開会を午前中からの開会に変更することになりました。
ご確認よろしくお願いいたします。

日 時

2015年10月18日(日) 9:30~14:15

集合場所

筑波山神社参集殿前

主 催

NPO法人地球の緑を育てる会

共 催

毎日新聞社/筑波山神社

助 成

公益社団法人国土緑化推進機構

後 援

茨城県/つくば市/筑波山地域ジオパーク推進協議会

アクセス

くお車でお越しの場合> 
常磐自動車道「土浦北IC」より国道125号線を直進し内町下交差点で筑波山方面へ。 筑波参道入り口を右折して道なりに。(約40分)
※有料駐車場をご利用ください。 休日はたいへん混み合いが予想されます。 時間lこ余裕をもってお越しください。

く電車でお越しの場合> 
つくばエキスプレスで秋葉原駅よりつくば駅まで約45分。 ①番パス乗場より「筑波山シャトルパスJで 神社入口下車(約40分)。神社まで徒歩10分

持ち物

・長袖、長ズボン、長靴など ・日よけ(帽子など)、虫よけ ・雨具、タオル
・お弁当 ・敷物(レジャーシー トなど)
※森づくりに必要な軍手スコップなどは、主催者こてご用意いたします。

スケジュール

受付          9:00~9:30
開会式        9:30~10:00
植栽地に移動   10:00~10:30
森づくり[前半]   10:30~12:00
昼食         12:00~13:00
森づくり[後半]   13:00~14:00
閉会式        14:00~14:15

申込方法

チラシの申込書を利用の上、ファックス(0297-57-1539)、メール等で
10月13日(火)までにお申込下さい。

第12回筑波山水源の森づくりの報告

 実りの秋、晴天に恵まれた10月18日、第12回筑波山水源の森づくりが実施されました。 参加者80名の中は、2006年から始まったこのプロジェクトに皆勤賞の方、出産、育児の時期を経て筑波山植樹に再デビューのご夫婦、娘さんやお孫さんを連れてご参加の当会会員さん、苗づくりにご協力頂く明るい社会づくり筑浦協議会の方々、後援して下さるジオパーク推進協議会のメンバー、首都圏からのグループ参加の方々、筑波大学留学生のアメリカ人やジャイカつくばからの東南アジアの研修生など、多彩な顔ぶれでした。

  肩から背負えるカゴに入れた苗、ツルハシ、クワ、剪定鋏などの道具も各自が運搬、白雲橋登山道から200段くらいの階段を登るため、最初が重労働で大変ですが、皆さん、何とか無事運び上げました。

  30~40年前に植えられたスギ、ヒノキ林、間伐もされていましたが、更に間伐を施して空間を造り、間伐材で土留め、林内を整備して出来上がった植栽地を4班に区分けしました。各班とも運び上げたクワやツルハシを使用して土起こしをするグループと剪定鋏で間伐材のスギ、ヒノキの歯を適切な大きさに切ってマルチング材を作る作業グループに分かれ作業を進めました。順調な作業の後、15種の苗(シラカシ、アラカシ、アカガシ、ウラジロガシ、スダジイ、タブノキ、ヤマザクラ、ヤブツバキ、シロダモ、ユズリハ、カクレミノ、ネズミモチ、モチノキ、サカキ、ヤツデ)1000本を植え付けました。その後、間伐材の葉でマルチング、作業は皆様の熱心で素早い動きに助けられ、思いのほか早く進み、午前中で全てを終了しました。

  林内で昼食を取りながら、自己紹介、その後、希望者は以前の植栽地を訪れ、すっかり生長し森を形成している様子を観察して散会しました。

  林内には、シラカシ、アカガシ、スダジイ、タブノキ、ヤブツバキ、シロダモ、ユズリハ、サカキ、ヒサカキ、アオキなど実生の小さい苗が見受けられ、それらの自然の生態系を補助する形で植えられた苗木は、自然に任せれば100年、200年かかる森の形成を30年40年のスパンで生長、深根性、直根性の根が深く土や石を抱き、長く強い森へと変貌、水源の森としての役割を更に強靭に果たしていくことでしょう。

看板 私も4班 植栽地全体の土起こし

看板

私も4班

植栽地全体の土起こし

苗の運搬 植える マルチング

苗の運搬

植える

マルチング

記念撮影

記念撮影

9.三井物産環境基金/10周年記念誌について

 三井物産環境基金が助成活動を始めてから10年になることを記念し、WEB版 「10周年記念誌」を発行されました。同基金には当会も育苗活動に多大なご支援を頂いており、 活動の様子が取り上げられています。

http://www.mitsui.com/jp/ja/csr/contribution/fund/10years/

にてご覧頂けます。様々な団体の様子とともに、是非、ご一読下さい。

10.道普請プロジェクトのお知らせと報告(2015.10.24開催)

道普請プロジェクトのチラシ

クリックするとPDFチラシが開きます

 80年前、度重なる自然災害や、燃料としての樹木伐採で日本の主だった山々は、禿げ山だったそうです。これを憂いた林野の重鎮の方々が日本の国土強化のためには植樹であり、植樹を国民運動にしようと、茨城県筑波山鬼ヶ作の地で第1回目の植樹が行われました。

 その後、第二次世界大戦の困難な時期は中断したものの、植樹活動は継続され、現在の全国植樹祭として繋がってきています。鬼ヶ作には「全国緑化行事発祥の地」の記念碑もありますが、記念碑の存在も忘れさられ、また記念碑までの山道も荒廃しています。

  80年目の節目の年の昨年、だれもが気軽にこの地を訪れ、植樹の重要性を再認識し、植樹活動の広がりを願って、全国各地からの有志による道普請が行われました。この活動を継続しようと下記要領にて、道普請が行われます。風倒木、立ち枯れたマツの整備、東京農業大学教授・宮林茂幸先生指導による丸太階段づくり、除草などの活動です。チラシをご参照の上、皆様、是非ご参加下さい。
→チラシはこちら

 

日 時

2015年10月24日(土) 10:00~15:00

活動場所

茨城県桜川市真壁町大字羽鳥鬼ヶ作国有林内

主 催

公益社団法人国土緑化推進機構/公益社団法人大日本山林会/東京農業大学/毎日新聞社/NPO法人地球の緑を育てる会

共 催

桜川市/全国森林組合連合会/公益社団法人茨城県緑化推進機構

後 援

茨城県、つくば市(予定)、筑波山地域ジオパーク推進協議会、
筑波山神社

協 力

茨城森林管理署

集合場所

くお車でお越しの場合> 
     9:30セイコーマート真壁羽鳥店(桜川市真壁町羽鳥字石田823-1)
く電車でお越しの場合> 
     9:00つくば駅A4出口(階段を上った所)現地へ車で送迎します。

用意する物

お弁当、飲み物、軍手、作業できる服装、雨具など

スケジュール

10:00…開会式(鬼ヶ作国有林内石碑入り口)
10:30…「全国緑化行事発祥の地」記念碑へ出発(約500mの道のり)
10:45…記念碑見学
11:00…「森づくりワークショップ」枯木伐倒の講習
                   (講師:東京農業大学、宮林茂幸教授)
12:30…昼食
13:30…作業開始
15:30…作業終了

申込方法

チラシの申込書を利用の上、ファックス(0297-57-1539)、メール等で10月20日までにお申込下さい。

道普請プロジェクトの報告(2015.10.24開催)

樹齢80年のスギ

樹齢80年のスギ

伐倒の指導をする宮林先生

伐倒の指導をする宮林先生

 7月25日の道普請に続く2度目の作業です。80年前、林野関係諸氏の方々の「植林を国民運動に」との強い思いで始められた植樹行事、第一回目の筑波山鬼ヶ作の地には、80年を経て見事なスギ、ヒノキが立派に生育しています。マツ枯れや自然淘汰された樹木を伐倒、整備するのが今回の目的です。

  講師の東京農業大学宮林茂幸先生からノコギリによる伐倒の仕方の指導を受けました。作業をともにする人びとの危険を回避するために笛の回数で、ノコギリの開始、倒れる瞬間、倒れた時点を知らせること、立木の倒れる方向、周囲を観察、整備し、周囲の樹木への悪影響を出きるだけ抑えること、ノコギリを引く受け口、追い口のこと、ゆっくりと予定下方向に倒すこと等の説明をききました。

 先生による見本の伐倒の後、森林署職員により指定された立ち枯れの木を有志が切り倒し、丸太階段利用を考慮して1.5mに寸断、纏めて整備して置くことを実施体験しました。事前に刈払機で除草された記念碑入口から記念碑までの道も含め、周囲は整えられ作業は終わりました。

  昼食時は参加者全員による自己紹介、つくば市、つくばみらい市、石岡市などの茨城県のみならず、首都圏、群馬県、埼玉県、千葉県等から集まった参加者に加え、筑波大学に留学するアメリカ人、つくばジャイカに研修するブータン人など国際色も豊かに総勢27名が参加しました。それぞれの参加の意図や思いを語って、懇親を図かりました。アメリカ人の1人は両親が森林を整備、守っているとのこと、国土の地図製作のための高度な技術を学びに来日のブータン人の話など、普段聴くことの出来ない話も聴けました。宮林先生の「森の中で作業を続けるような子どもはIQが高くなる」とう話は、本当に納得できるものでした。何でも用意され、与えられることの多い現代の生活と違い、溢れる緑に囲まれ、自然の音を聴き、風を知り、危険を感じ、その場にある自然の素材を何とか利用して物を作り上げていく知恵、体全体を使っての肉体労働、どれをとっても人間の五感をフル回転していることを実感するからです。

 午後には、東京都世田谷区の日本文化書道館主宰・山本玲葵氏による書道のパフォーマンスがあり、参加者も森の中で感じた思いを漢字一字で書にしたためました。これも感性を豊かにすること間違いなし、今度は、ハーモニカ、オカリナ、バイオリンなどの演奏もこの自然の中でしてみたいと希望が膨らみます。秋のまたとない好天の日、森林を守る体験や書道を楽しんで有意義な一時を過ごして散会しました。

切り口 「私もやってみる!」 丸太の処理

切り口

「私もやってみる!」

丸太の処理

昼の語り合い 「森の書道教室」 山本先生の作品

昼の語り合い

「森の書道教室」

山本先生の作品

記念撮影

記念撮影

道普請プロジェクトのチラシ

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道普請プロジェクトの背景について、青木正篤常さん(公益社団法人国土緑化推進機構・常務理事)の記事が紹介されています。→道21世紀新聞

 

 

 

 

11.第4回アステラスの森づくり

 

間伐

間伐

 

丸太の整理

丸太の整理

   10月4日、アステラス製薬株式会社は、筑波山神社林内にて第4回となる「アステラスの森」づくりを行い、当会はこの活動の手配や支援を行いました。

 この日の準備のため、9月26日には10名の、10月3日には24名の社員が現場に入り、植栽地造成作業を行いました。現地はスギ、ヒノキが30~40年前過密に植えられたところで、当会メンバーが事前に間伐し空間のできた植栽地をツルハシ、クワなどで耕起作業を実施。植えられた苗の根が素早く充分に張っていけるよう、土中に充分な空気を入れ込むための作業です。間伐材からのマルチング用の葉を適切な大きさにカットする作業なども行い、準備はすっかり整いました。

  植樹祭当日、社員や関係の参加者78名は、素晴らしい秋晴れに恵まれ、途中にカゴ入れて持ち運べるよう用意された15種類の常緑広葉樹の苗を各自肩から下げて、現地まで運び上げ。造成された200㎡の植栽地に600本の苗(うち100本のシラカシ、アラカシなどは同社が育成したもの)を植込み、葉っぱのマルチングを施して終了しました。

  筑波山土中から発見された微生物、それを同社は薬剤することに成功、難しい病気に苦しく人たちの助けになっていることから、今回も植樹祭にもその薬の恩恵を受けている8人の方々も参加されました。その筑波山に恩返しをしたいと始められた植樹ですが、、医療と環境課題とが相互に関係するこの活動を今後も長く続けたいと同社のプロジェクトリーダーは語っておられました。

整備されていく植栽地 丸太の橋 社員の皆さんの耕起作業

整備されていく植栽地

丸太の橋

社員の皆さんの耕起作業

マルチングづくり 苗木の運搬 植える

マルチングづくり

苗木の運搬

植える

 

12.土浦ライオンズクラブ植樹祭

  昨年9月、設立50周年を記念して筑波山神社林内に土浦ライオンズクラブの森を造った同ライオンズクラブは、今後も少しづつ森を増やしていく方針です。

本年は、11月5日(水)、筑波ライオンズクラブとの合同事業で50本の苗を植えました。この植込み作業のために10月27日、間伐、周辺整備、耕起作業を土浦ライオンズクラブの有志が行い、当会は全般を支援させて頂きました。準備作業、植込み作業とも、ライオンズクラブの方々の素早い行動であっという間に終わりました。環境課題の一助にと実践するライオンズクラブとしての行動力を感じる行事でした。

事前整備 マルチング 植える

事前整備

マルチング

植える

記念撮影

記念撮影

 

13.株式会社三五関東植樹祭

  マフラーなどの自動車部品を製造する株式会社三五関東が2014年、茨城県下妻市に設立されました。同社は株式会社三五のグループ会社の一つで、本社も傘下のグループ会社も挙げて横浜国立大学名誉教授・宮脇昭先生の指導される生態系に適った植樹に取組んでいます。2006年より工場の環境づくりのため、海外の事業所も含めこれまでに工場敷地に35万本の苗を植え、苗は環境防災林として立派な森に生長。株式会社三五グループは地域に社会に広くは地球環境に貢献されています。

 株式会社三五関東の初めての植樹祭が11月15日(日)、同社工場周囲の一部で行われました。前日から雨模様でしたが、開会式直前に雨も止み、稲葉本治下妻市長、恒川幸三三五コーポレーション社長、永田和巳三五関東社長によるタブ、シイ、シラカシの記念植樹の後、社員など約200人が27種、2500本の苗を植込みました。苗の保護や土砂流失防止のための稲藁を敷きつめ、更に藁の飛散防止のため縄で留めていく作業をしっかりと行い、予定通り終了しました。当会は一連の植樹作業の支援をさせて頂きました。同社は次年度以降も工場周囲を少しずつ植樹していく予定だそうです。将来は豊かな森に囲まれた工場となっていくことでしょう。

クイ打ち
稲藁の運搬

苗の運搬

クイ打ち

稲藁の運搬

リーダー研修 植える 稲藁を敷き、縄をかけて終了

リーダー研修

植える

稲藁を敷き、縄をかけて終了

 

14.株式会社ユーキャン植樹祭

苗木の運搬も自分達の手で

苗木の運搬も自分達の手で

  株式会社ユーキャン(本社・東京都新宿区)は社員1000人を有し、通信教育の分野に於いて良く知られている会社です。

 本年11月29日に、当会の行なう筑波山での植樹活動に賛同いただき、CSR活動の一環として植樹活動を行ないました。社員とご家族の有志が参加され、苗木を運び、耕起作業をし、200本の植樹をされました。

 体力に自身がないと言われた方も、いざ始まると時間を忘れて作業に取組まれました。なかなか使うことのないクワやツルハシで作業することで、非日常を体験し生き生きとした感じ、起作業中に掘り出した大きな石は、後に記念石碑にしようと直立させていました。同社の活動の目的は、少しでも森づくりに貢献したいとのことでした。「もう少し植えたかった」「植えた木々の生長を毎年見に来たい」などの感想もありました。

作業全般の説明を受ける 耕起作業も真剣に 植える

作業全般の説明を受ける

耕起作業も真剣に

植える