1.筑波山森育ワークショップへのお誘いと報告

 2月26日(日)、下記要領で森育ワークショップを開催します。単に植樹するだけでなく、苗づくり体験、森の中での伐倒の見学、里に下りてきて間伐材を活用しての木彫り体験という樹木の誕生から活用に至る一連の作業の中に、生命循環の重要性を体感して頂くというワークショップです。是非奮ってご参加下さい。

ワークショップチラシ 毎日新聞社社告  

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主 催

NPO法人地球の緑を育てる会

共 催

公益社団法人国土緑化推進機構、毎日新聞社、筑波山神社

協 力

一般社団法人 TOBUSA

後 援

筑波山ジオパーク推進協議会

日 時

2017年2月26日(日)

集合場所

筑波山神社参集殿前(つくば駅4番出口より7:50発専用車待機)

内 容

〔午前の部〕
8:30 集合
9:00 開会式
9:15 苗木づくりの場所に移動、苗木づくり体験
9:45 植樹地へ移動、広葉樹800本植樹
11:10 下山 解散


〔午後の部〕(希望者のみ先着20名、参加費1000円)
11:20 つくばみらい市のNPO法人地球の緑を育てる会圃場に移動
     (筑波山神社指定場所より専用車で移動、
      自家用車の方は自力で圃場へ)
     圃場住所:つくばみらい市狸穴向長昨1389
            (当日地図をお渡しします)
12:30 「薪で焚くご飯を食べよう!」昼食
     (軽食ですので、各自調整して下さい)
13:30 間伐材を活用した木彫り体験
     東京芸術大学教員による直接指導
15:10 閉会式
     式後、専用バスにてつくばエクスプレス〔みらい平駅〕に送迎

服 装

長袖、長ズボン、日よけ、虫よけ、雨具、タオルなど

申込内容

氏名、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレス明記して下さい。
午後の部の参加希望の可否、貸切バス乗車ご希望の可否を明記して下さい。

申込み先

メール office@greenglobe.jp

FAX  029-757-1539

緊急連絡先

090-7840-0496 石村まで

    

筑波山森育ワークショップの報告 (苗作り、植樹、伐倒見学、木彫り体験から木の循環を学ぶ)

 戦後、全国的に植えられたスギ、ヒノキ等の針葉樹等が伐採適期を迎えながら、管理不足や運搬面での問題から未利用のまま放置されているところが全国的に多いことが指摘されています。

開会式

開会式

受付

受付

 木材活用が評価されている現在、今後は植樹だけでなく、樹木活用を積極的に行い、育てる、植える、伐る、使うの循環を世に発信していくことを目的として2月26日(日)、110名が参加して森育ワークショップが行われました。

 活動はつくば市の筑波山神社林内とつくばみらい市の当会圃場の2ヶ所で実施されました。

筑波山での活動

 筑波山神社林内での ①苗作り、②植樹、③伐倒見学 が行われました。

地元の参加者のみならず、首都圏、つくばジャイカで学ぶ発展途上国の研修生20名、つくば市で働く中国人8名など合計110名が参加しました。青木正篤国土緑化推進機構常務理事、下平敦茨城森林管理署長、秋葉筑波山神社禰宜の挨拶等の開会式の後、4班に分れて活動地へ移動しました。

①苗作り(白雲橋登山道入り口近くの駐車場で)

 つくばみらい市の圃場で発芽したアカガシの幼苗(裸苗)のポットへの移植を一人ひとりに体験してもらいました。ポットの中心で苗を持ち、根部と幹部が案配よく分れる点まで土を入れて、ポット苗に仕立てます。子供づれの家族などは特に積極的に子供達への指導を行っていました。

苗作り体験➀ 苗作り体験②  

苗作り体験①

苗作り体験②

 

②植樹

 苗作り体験場所の隣に置かれた10種(シラカシ、アカガシ、ウラジロガシ、スダジイ、ヤマザクラ、コナラ、タブノキ、シロダモ、ヤブツバキ、ユズリハ)800本の苗(60籠に分配)を参加者が一籠ずつ担いで植樹地まで運び挙げますが、途中200段の階段を上らねばならず、現場に到着するまでが一仕事です。4班に分れて植樹、その後、苗の保護、土砂流失防止などを目的として間伐材の葉を活用してのマルチングを行いました。

植える マルチング  

 植える

マルチング

 

③伐倒見学

伐倒見学

伐倒見学

 植樹に至るまでには植栽地の造成が不可欠、不適切なスギ、ヒノキ等を間伐、その丸太を活用して土留めに設置します。これらの作業は、植樹祭前に準備しておきます。本来であれば間伐した材が麓に下ろされ、使用されて初めて樹木の循環が繋がるのですが、間伐作業がいかに困難で慎重さを要する作業であるかを参加者に理解して頂くことを目的に伐採作業の見学を行いました。
 下平敦茨城森林管理署長の何故、間伐が必要かのご説明を頂いた後、倒れる方向を山側に定め、参加者は安全な場所に移動した後、笛の安全確認合図とともに伐倒作業開始、普段の生活では見られない迫力と緊張の現場を体験、伐倒されると参加者からは歓声と拍手が起りました。

 閉会式の後、午前中の作業のみの参加者は帰宅の途へ、午後からの木工体験参加者は会場となるつくばみらい市の当会圃場へ移動しました。

つくばみらい市圃場での活動

④木工体験

  76名(ジャイカ研修生全員、中国人全員を含む)が参加、12時30分に到着後、準備されたカマド炊きご飯を卵かけご飯、カレーなどで楽しみました。かまどご飯が美味しいのは薪の効用があることを説明、電気釜とはひと味違う米の味を堪能しました。

カマドご飯 カマドご飯を楽しむ  

カマドご飯

カマドご飯を楽しむ

 

  木工体験ができるのは20名限定、東京芸術大学を卒業後、一般社団法人TOBUSA を運営する白田祥章氏等の指導を受け、保護者とともに子供達も真剣にノミを動かし、1時間半で小皿を彫り上げました。参加者は非常に楽しく、有意義な経験ができたとの感想でした。

木彫り体験① 木彫り体験②  

木彫り体験①

木彫り体験②

 

  木工体験ができなかった参加者は、野外で書道家・山本玲葵さんの指導を受け、書を体験、中でもジャイカ参加者は非常に興味を持って熱心に筆を動かしていました。書に必要な和紙は勿論木から生産、薪、木彫り小物、和紙を通して木材使用を改めて体験し、、育てる、植える、伐る、使うの樹木の循環を一つの形にして体験するワークショップは、参加者の満足の中に無事終了しました。

書道体験① 書道体験②  

書道体験①

書道体験②

 

集合写真(筑波山)

集合写真(筑波山)

 

2.助成金について

 公益財団法人イオン環境財団より2017年度事業として筑波山水源の森づくりに対し、助成金決定の報告を受けました。大変ありがたいことと感謝し、事業を着実に行いたいと思います。ありがとうございました。

3.久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部ご寄付について

  久光製薬株式会社は社員の方々によるご寄付とそれと同額の会社からのご寄付で基金をつくり、国内外で活動するNPOや市民団体にご寄付をして下さっています。今年の対象団体の一つとしてNPO法人地球の緑を育てる会も選ばれ、2月6日、つくば事業所にて目録贈呈式授与という栄誉な機会を得ました。大変ありがたいことと心より感謝申し上げ、活動を一歩一歩着実に進めさせて頂きたいと思います。ありがとうございました。

4.地域活性化フォーラム 開催のご案内と報告

             ~ いまなぜ 木か ―日本が世界に誇れるもの ~

毎日新聞社社告 いまなぜ木か チラシ  

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 都会では今や異質な存在と思われがちな木材。その木材が、都会ばかりか世界的に注目 されています。Co2 の吸収固定だけでなく、洪水調整や安らぎ効果といった防災環境保全機能 など、日本人は古くから森林や木材を上手に活用し、自然や他者と折り合いを付けて暮す 共生型の知恵と技を育んできました。

 分断、排除、不寛容の度合いを深めている世界情勢だけに、 2020年東京五輪に向け、共助・共有の思考は益々意味を高めていくのではにでしょうか。

  そこで下記要領にて地域活性化フォーラム「いまなぜ木か ―日本が世界にほこれるもの」を開催します。 皆様奮ってご参加下さい。

 

主 催

公益社団法人 国土緑化推進機構、 毎日新聞社、
NPO法人地球の緑を育てる会

後 援

林野庁

協 力

株式会社イトーキ

スピーカー

隈 研吾氏 / 建築家
小川 三夫氏 / 宮大工(法隆寺宮大工西岡常一氏の唯一の内弟子)
白田 祥章氏 / 東京芸術大学 講師
平田 美紗子氏 / 林野庁 職員
小島 勇 / 株式会社イトーキ ソリューション開発本部 
        Econifa開発チームリーダー

日 時

2017/03/20(月・祝) 13:00〜16:00(12:30 受付開始)

会 場

イトーキ東京イノベーションセンター SYNQA 2F セミナールーム

定 員

150名

参加費

無料

お申し込み方法

下記の内容をご記載の上、メールにてお申込みください。
-------------------------------------------
件名:「3/20フォーラム参加希望」

 メール本文:
1)住所:
2)氏名:
3)性別:
4)年齢:
5)職業:
6)電話番号(昼間つながるもの):
7)参加人数:

 送付先:bokin[at]green.or.jp
※[at]は@に置き換えてください。
公益社団法人 国土緑化推進機構 参加受付係
--------------------------------------------

お申し込み締切日

2017/03/10(金)

お問い合わせ

公益社団法人 国土緑化推進機構
担当:青木・箕輪
TEL:03-3262-8457(平日9:30~18:00)

関連URL

■公益社団法人 国土緑化推進機構
  http://www.green.or.jp/
■毎日新聞社
  http://www.mainichi.co.jp/
■株式会社イトーキ
  https://www.itoki.jp/

地域活性化フォーラム「いま なぜ木か ー日本が世界に誇れるものー」の報告

 3月20日(祝日)、イトーキイノベーションセンターSYNCAで地域活性化フォーラム「いま なぜ木か ー日本が世界に誇れるものー」が開催されました。2月26日開催の森育ワークショップ(育てる、植える、伐る、使うの木の循環の体験)を受けての木使いをテーマとした内容です。220名の多くの方々が参加されました。

建築家・隈研吾氏の基調講演

隈研吾氏

 木を使うこと、それは今や世界中の関心ごとであり、地球温暖化防止に役立ち、森の健康維持のためにも木を使う必要性があるとのお話から始まりました。

 これまで同氏が手がけられた代表的木造建築物・栃木県の広重美術館、万里の長城の竹を使用した家、檮原の木橋ミュージアム、太宰府のスターバックス、浅草観光センター、長岡市役所、フランスブザンソンの文化センター、木のトレーラーハウスなどの建築物や、品川新駅や東京オリンピックの新国立競技場などこれからの建築も映像で紹介されました。

 第二次世界大戦時、米軍の攻撃で明治神宮の社殿は焼失したものの、周囲の森は燃えなかったことがアメリカにとって驚異であったことなどの話も紹介されました。森の存在は命の根源、その森の木々を使用することが人間生活にも多大な貢献をする結果となるのであり、世界各地で木造建築物の足跡を残す同氏の活躍は、樹木の循環を活かす建築世界の第一人者であることを証明する講演内容でした。

法隆寺の宮大工・西岡常一氏の内弟子・小川三夫氏の講演

小川三夫氏

小川三夫氏

 「自分の刃物を持ち、執念のものづくりが大事であり、電動工具では工作になってしまう。手と身体を使って長い時間をかけ記憶し体得していくと勘となっていく。本物とは心を打つものであり、西岡棟梁の下では、新聞テレビから離れ一年間刃物研ぎだけ、特に何も教えてくれなかったが、一緒に生活して分かるものだ、厳しさのない優しさは甘えである。

 木は山に生えていた通りの方向で使ってこそ生きる、石の上に柱を置くだけだが、木の癖をつかみ、不揃いの木を組上げるのは木との格闘であった。昔、海岸から60㎞奥の23,5mのアカマツを下ろすのに10万人、4千頭の牛を使ったと言われている。

小川三夫氏槍鉋

槍鉋の使用説明をする小川三夫氏

 山から木を下ろすことができれば、建物を建てたのも同然と言われるほどだ。現代のような図面もない、工具もない時代の建物は汗と知恵と技の結晶だ。現在の豊富な知識をもって知恵を絞り出していこう。」

 というようなお話で、非常に含蓄のある講演でした。最後に古代建築部材を仕上げるたけに使用されていた槍鉋の実演もあり、なかなか観ることのできないその使用に皆魅了されました。

 

体験発表

体験発表

子供体験発表

 NPO法人地球の緑を育てる会理事長の石村章子から活動紹介があり、苗木づくり、植樹、道普請等の活動に参加した日本文化書道院玲書館の小中学生等が、その体験を認めた書を披露、同時にその想いを発表しました。成長期のこのような体験は、都会に暮す子供たちの自然への関心が目覚め、心の財産となっていくことでしょう。

パネルディスカッション

地域活性化パネルディスカッション

パネラー

左から 斗ヶ沢氏、小川氏、白田氏、平田氏、小島氏

 

パネラー
小川三夫氏・宮大工
白田祥章氏・東京藝術大学講師、一般社団法人TOBUSA代表理事
平田美沙子氏・林野庁図書資料館総務係長
小島勇氏・株式会社イトーキソリューション開発本部Econifa開発チームリーダー

コーディネーター
斗ヶ沢秀俊氏・毎日新聞社健康医療・環境本部長
宮大工としての小川氏のほか、各地で木工のワークショップを開催する白田氏、林野庁に入省、林業の楽しさを紹介するイラストを林業専門雑誌に掲載したことで話題を集める平田氏、国産材を買い付け、それを活かしたオフィス、家具、内装材、などの商品企画、開発を手がけ、森と街をつなぐ地域活性化活動を企業として行う小島氏の話など、多方面からの木材活用が伺え、豊富な内容に時間が足りない感じでした。

展示内容

一般社団法人TOBUSAの作品展示:木材を活用して作られた作品の展示
公益社団法人国土緑化推進機構:はげ山写真展
日本文化書道院玲書館:木の板を活用して樹種名を書いた書道展示
NPO法人地球の緑を育てる会:苗木づくり、植樹、道普請等活動写真展示

一般社団法人TOBUSAの作品展示 フォーラムハゲ山写真展  

一般社団法人TOBUSAの作品展示

ハゲ山写真展

 

5.今年もまたジャガイモの植付け・・・立正佼成会土浦教会少年部

 昨年のジャガイモの植付け、収穫祭は子供達に好評だったようで、今年もまた3月25日(土)、同様の活動が当会の畑で行われました。

 自然に親しみながら、じゃがいもを植えることを通して命の大切さを学び、仲間とともに協力しあえることに感謝することを目的としています。早春のまたとない好天に恵まれて、小中学生とその弟妹達、壮年部やお母さんたち総勢180名が当会のフィールドに集結、お父さんたちのジャガイモ植付けの準備、お母さんたちのBBQ、カレーなどの昼食の準備が日頃のチームプレーと団結力の良さでどんどん進んでいきました。

 子供たちは昨年の学習で慣れた様子で、“大川ジャガイモ先生”のご指導をよく聴き、ジャガイモを丁寧に植え込んでいきました。畑はこの日に先立ち、壮年部の有志や当会のスタッフが畝作りをして準備していました。

ジャガイモ先生の説明をよく聴いて・・・

ジャガイモ先生の説明をよく聴いて・・・

 今年の子供達へのプログラム内容は次のとおりです。

  1. 植える(じゃがいも) 
  2. 投げる(ボール) 
  3. 揃える(履き物) 
  4. くっつける(お魚のペースを一つに)
  5. 合わせる(皆の心を) 
  6. 見る(昔のカマドご飯の様子や味)

 子供たちはジャガイモ植えつけが終わると、広い圃場の中に設けられた5ヶ所のスポットを回り、それぞれのレクリエーションを楽しむと胸のカードにスタンプがもらえる仕組み。お母さんたちが趣向を凝らしたミニイベントを無邪気に楽しんでいました。

 それが終わるといよいよ昼食です。カマドで炊いたご飯のカレー、BBQ、そしてピザ釜で焼き上げられるピザなど、いずれも大好評、大人も子供達も十分に堪能しました。食べ終わった子供たちは生き生きと走り回り、自ずと見つけた遊びに興じ、それを見つめるお父さんお母さんたちの目も幸せ一杯、みんなの心が一つになっての自然体験活動、新しく赴任された飯島佑季子教会長も目を細めて見守っておられました。収穫祭が楽しみです。

楽しいジャガイモ植付け カマドとお釜は4セット! カマドとお釜は4セット!

楽しいジャガイモ植付け

カマドとお釜は4セット!

ピザ釜の温度調整 レクレーション「ボール届くかな?」 「カマドご飯はどんな味?」

ピザ釜の温度調整

レクレーション「ボール届くかな?」

「カマドご飯はどんな味?」

30枚以上もピザを焼きました! お肉の行列 そろそろお腹いっぱい

30枚以上もピザを焼きました!

お肉の行列

そろそろお腹いっぱい

 

6.第13回筑波山水源の森づくり植樹祭のご案内と報告

 「筑波山神社は354ヘクタールの広大な神社林を有しますが、豊かな水源の森としての保全や再生を希望しておられます。2006年より針葉樹を間伐、除伐し豊かな針広混交林への再生を目指して広葉樹を植樹しています。

 今年もイオン環境財団の助成を得て第13回目の水源の森植樹祭を行います。皆様のご参加をお待ちいたします。詳細はチラシを参照して下さい。  →チラシはこちら

アズマネザサの繁茂 (植林前)
10年の歳月を経て針広混交林として蘇る森 カマドとお釜は4セット!

アズマネザサの繁茂 (植林前)

10年の歳月を経て針広混交林として蘇る森

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主 催

NPO法人地球の緑を育てる会

共 催

筑波山神社

助 成

公益財団法人イオン環境財団

協 力

明るい社会づくり筑浦協議会

後 援

筑波山ジオパーク推進協議会

日 時

2017年6月4日(日)

場 所

筑波山白雲橋登山道から200m

本 数

面積300㎡ / シイ、カシ等 600本

指 導

藤原一繪横浜国立大学名誉教授

集合場所

筑波山神社参集殿前

受付開始時間

8:30

内 容

受付   8:30~9:00
開会式  9:00~9:30
植栽地に移動  9:30~10:45
植樹体験   10:45~11:00
伐採見学・入浴木づくり&薪割体験  11:00~11:45
移動-神社へ  11:45~12:00
閉会式      12:00~12:15

特記事項

  1. ご希望の方にはボランティア証明書を発行いたします。
    (ご希望の方は 申込書に明記して下さい。)
  2. 受付け先着50名様に筑波山神社のお守りをプレゼント

服装・持ち物

長袖、長ズボン、日よけ、虫よけ、雨具、タオル、敷物など

アクセス

くお車でお越しの場合> 
常磐自動車道「土浦北IC」より国道125号線を直進し内町下交差点で筑波山方面へ。 筑波参道入り口を右折して道なりに。(約40分)
※有料駐車場をご利用ください。 休日はたいへん混み合いが予想されます。 時間lこ余裕をもってお越しください。

く電車でお越しの場合> 
つくばエキスプレスで秋葉原駅よりつくば駅まで約45分。
つくば駅から専用バスあり
(A4番出口の階段を上がった所) 7:50集合 8:00発

申込み先

メール office@greenglobe.jp   

FAX  0297-57-1539      

申込締切日 5月31日(水)

緊急連絡先

090-7840-0496 石村まで

    

第13回水源の森づくり植樹祭の報告

 6月4日(日)、当会主催、イオン環境財団助成による第13回水源の森づくりが筑波山神社林内で行われました。

  この日、植樹のご指導を頂いたのは横浜国立大学名誉教授の藤原一繪先生、開会式では、何故植樹が必要か、植樹の方法等詳しい説明がありました。

 今回の参加者は東京、千葉、埼玉県から、地元茨城県から、その他つくばジャイカの研修生やつくば市在住の中国人など合わせ84名の方々で、特にお子さんを参加させたいというお父さん、お母さんの希望者が多くありました。森の中での体験が子供たちへもたらす無言の教育をよくご存じだからだと思います。

 快晴に恵まれた当日、4班にわかれて、シイ、シラカシなどの広葉樹600本を植えました。ジャイカの方々は、楽しそうに植え終わると、だれともなく歌を歌い始め、植栽地全体が一層なごやかな雰囲気に包まれました。植樹後に行われたお子さん向けの伐倒体験では、目を輝かせて順番にノコギリを挽き、倒れていく細いスギに歓声を上げていました。閉会式には筑波山神社のお守りがお土産に配られ、また、希望者にはボランティア証明書が手渡されました。

 植樹祭終了後、藤原先生と当会スタッフは、2006年から始め10年間、植えてきた植樹地を観て回りました。これまで約18000㎡に38000本の苗を植えてきましたが、植えられた時、場所の環境の違いに応じて苗は生長しており、10年前のものはすっかり森を形成しています。土中生物の調査など行うことが森としての働きや成熟度を証明することから、今後、そのような活動も森づくりの重要な要素であることのご示唆を頂きました。次のステップが楽しみです。

積極的に参加したお子さんに苗の説明をする藤原先生 苗木を運び上げる参加者 我が子に自然体験をと積極的なお母さん達

積極的に参加したお子さんに
苗の説明をする藤原先生

苗木を運び上げる参加者

我が子に自然体験をと積極的なお母さん達

筑波山神社拝殿前での祈念撮影

筑波山神社拝殿前での祈念撮影

 

7.「和興の森 in 筑波山」 第6回植樹祭

 快晴の5月20日(土)、和興フィルタテクノロジー株式会社の筑波山での第6回目の植樹祭が行われました。同社は筑波山神社林内での当会の水源の森づくりに賛同、2012年より同社としての森づくりを行っています。事前に当会有志が間伐、整地などの植栽地の造成を行い、またこの植樹祭全体の実施、運営を支援しました。

 今年も社員とその家族41名が参加、うち13名はお子さんでしたが、大活躍でした。麓から苗木を各自運び上げ、一休みすると皆慣れた調子であっという間にシイ、シラカシ、ウラジロガシ、シロダモなど広葉樹10樹、600本を植え、間伐材の葉のマルチングもお子さんたちの熱心な協力もあり、スムーズに終わりました。この植栽地の造成の一端を是非、お子さん達にも経験して頂こうと、まだ造成前の場所の未成熟のスギのノコギリによる伐倒を行いました。お子さん達はとても興味をもち、お父さんとともにノコギリを動かして細い木が倒れていくのを驚きとともに観察していました。社員の皆さんで「和興の森」の看板設置も行いました。

 この日、特別なことと言えば、気仙沼市で牡蠣養殖業を営み、NPO法人「森は海の恋人」理事長でもある畠山重篤氏が植樹祭に参加されたことでした。同氏は豊かな海の環境は豊かな森の存在から生まれると、平成元年より大川上流岩手県室根山で植樹活動を始め、全国から毎年1000人前後の人々が訪れ植樹し、海、山、里連携の活動が高く評価され、京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授や国連フォレストヒーローにも選ばれています。

 和興フィルタテクノロジー株式会社と畠山氏は仕事を通して交流されており、植樹祭にもご参加下さることとなりました。20年以上も山に植林してきたことが、東日本震災後のいち早い海の復興に繋がったのではとのお話もありました。また、同氏は牡蠣の稚貝を通してフランスのルイビトンとの交流もあり、東日本大震災の折にはルイビトン社からの多大な支援があったそうです。そのあたりのことを書かれた同氏の著書・「牡蠣とトランク」がこの日、村上洋一同社会長の計らいで参加者全員にプレゼントされました。

 木を植えるということは心に木を植えることであり、気仙沼市でも盛んな日本古来の歌(短歌)の中に物事を始めるにあたってのデザインのヒントがあるのではないかというような豊富な話題に参加者は皆聴き惚れていました。室根山での植樹、霞ヶ浦や海を守る水源となる筑波山での植樹、規模や方法は違っても志は同じ、地道な活動の尊さが納得できた一日でした。

植え終わったあとの葉のマルチング ノコギリによる間伐体験をするお子さん 村上洋一会長と畠山重篤氏

植え終わったあとの葉のマルチング

ノコギリによる間伐体験をするお子さん

村上洋一会長と畠山重篤氏

筑波山神社拝殿前での記念撮影

筑波山神社拝殿前での記念撮影

 

8.「常陽の森 in 筑波山」 第5回植樹祭

2015年植えの苗の生長

2015年植えの苗の生長

 5月26日(金)、常陽銀行新入行員の研修の一環として行われている筑波山神社林内での第5回植樹活動が行われ、当会はこの植樹祭全体の実施、運営を支援しました。

 筑波山神社西側を約10分ほど進んだところが植栽地で、当会有志は生育の良くないスギ、ヒノキ、雑木等を伐採、十分な光を取り入れられる空間をつくり植栽地の造成を行いました。

 植樹祭当日の朝、石村理事長は笠間市の同行研修センターに赴き、何故このような植樹が必要か、その方法や理論等につき座学を行いました。入行したばかりの希望に燃える新入行員に理論から理解して頂き、またその後の行員業務になんらかの形で活かして頂きたいという想いからです。

  昼頃、笠間研修センターから筑波山に移動した頃は、激しい雨で植樹祭開催も危ぶまれましたが、だんだんと天気も快方に向かい、植樹地に苗を運んで着いたころは、雨はすっかり上がっていました。むしろ、雨のお陰で植樹地は潤い、クワやツルハシでの耕起作業は乾燥時より容易な感じでした。シイ、シラカシ等10種600本を植え、マルチングをして終了。昨年植えた苗のうちシラカシの苗はノウサギの害に遭って先端が鋭い刃物で切ったようになくなっていましたが、根はしっかりあるので、これからの様子をみていきたいと思います。 

激しい雨が上がるのを待つ新入行員 準備作業・間伐 植える

激しい雨が上がるのを待つ新入行員

準備作業・間伐

植える

 

9.会員・岡崎隆さんからの寄稿

 岡崎隆男さんは定年退職後千葉県から茨城県つくばみらい市に移住、時折、当会の圃場で育苗作業にご協力下さっています。筑波山水源の森づくりに関心を寄せて下さっています。

 昨年は「筑波山の生き物たち(第1回、第2回)」の原稿をお寄せ下さいました。今回は第3回~第5回の原稿をいただきました。詳しい貴重な内容ですので、皆様にもお読み頂きたいと思います。

筑波山の生き物たち(第3回 両生類)

水辺の生き物・両生類の報告です。茨城県自然博物館は2006年~2008年に県西地域を調査し、2目6科11種を確認

サンショウウオ科

(ツクバ)ハコネサンショウウオ

イモリ科

イモリ

ヒキガエル科

アズマヒキガエル

アマガエル科

ニホンアマガエル

アカガエル科

ニホンアカガエル、タゴガエル、ヤマアカガエル、 トウキョウダルマガエル、ツチガエル、ウシガエル

アオガエル科

シュレーゲルアオガエル

 

 

 

 

茨城県レッドリスト(RL)5種、トウキョウダルマガエルは環境省RL準絶滅危惧、ツクバハコネサンショウウオは2013年に独立種となった筑波山系固有種で、2016年環境省から国内希少動植物に追加指定されています。

 

県カテゴリー

和 名

県カテゴリー

和 名

絶滅危惧1B類

(ツクバ)ハコネサンショウウオ

準絶滅危惧

タゴガエル

情報不足・注目種

アズマヒキガエル、トウキョウダルマガエル、ツチガエル

 

 

 

 多くの種が減少傾向にあります。(ツクバ)ハコネサンショウウオは筑波山では減少傾向にあります。イモリはかつて広範囲に生息していたが、坂東市・桜川市しか確認できず生育場所は極めて少なくなっている。アズマヒキガエルは平地から山地まで広く生息しているが、産卵に適した沼地・池などが消滅し生育数は減少傾向にある。タゴガエルは比較的山間部の高所に生息し、筑波山周辺の山地に生息が確認できたが、ナガレタゴガエルは確認できなかった。トウキョウダルマガエルは平野部の水辺を生息域とし、かつては田んぼの普通種であったが、平野部の水田では激減し確認が難しくなっている。ツチガエルは日本各地で激減、当地でも確認することが極めて難しくなりつつあり急速に生育数が減少傾向にある。シュレーゲルアオガエルは湿地や水田周辺部を好み、山間部から平野部まで比較的広範囲に生息しているが、生息数は多くない。こうした中で、ニホンアマガエルは極めて生息数も多く、農村部から都市部まで広い範囲に分布している。ウシガエルも利根川流域・鬼怒川流域から桜川市の山間部のため池までほぼ全域に生息。増減の記載はないが、ニホンアカガエルは比較的低地の田んぼ・森・林・草地に、ヤマアカガエルは比較的山間部に生息する傾向があり桜川市の山間地で確認。(茨城県自然博物館報告書からの要約)。ウシガエルは特定外来生物で生態系被害防止・重点対策外来種、また世界と日本の侵略的外来種ワースト100に入っています。

  両生類減少の要因として、

  1. 乾田化による産卵場所の消滅、用水路のコンクリート化により水面と周辺の草地や斜面林などとの遮断
  2. 耕作放棄により産卵場所や生息地が狭められている
  3. ブラックバス、ブルーギル、ウシガエル、アメリカザリガニ等の脅威
  4. カエルは皮膚で呼吸や水分補給を行うので、大気・水質・温度変化に敏感

等があげられます。

1.乾田化と用水路のコンクリート化の影響を具体的に見ていきます。

 7月中旬から下旬に稲の倒伏を防ぐため、田んぼの水を一時的に抜く「中干」が行われます。田んぼで産卵する多くのカエルは中干の時期に変態を終え、ニホンアカガエルアズマヒキガエルは水辺を離れ、トウキョウダルマガエルニホンアマガエルは水路に移動。

 面白い実験があります。幅30cm、深さ30cmのコンクリート製U字溝にニホンアマガエルニホンアカガエルツチガエルトウキョウダルマガエルを入れ、這い出せるかを調べたらジャンプ力のないトウキョウダルマガエルとツチガエルはほとんどが脱出できなかった。ニホンアカガエルは親なら飛び出せるが、変態したばかりの子ガエルは全く脱出不可能。何とか壁をよじ登れたのは手足に吸盤のあるニホンアマガエルのみ。ほぼ自然博物館の報告と一致します。また、ツチガエルはその年に変態し上陸するものとオタマジャクシのまま水路や田んぼの溝で越冬し翌年変態する場合があり、冬でも水が残っていないと生きていけません。ニホンアカガエルは2~3月に田んぼに残った水たまりを利用して産卵。冬場の乾田化の影響は種により異なります。

  カエルは多くの虫を食べ、多くの生き物に狙われます。オタマジャクシはコイ・フナなど魚類、サギなど鳥類、イモリ、アメリカザリガニ、ゲンゴロウなどに、成体はヘビ、サシバ・モズなど鳥類、イタチ・タヌキ等々。カエルの減少は生態系ピラミッドの中で様々な影響が心配されます。

  ツクバハコネサンショウウオは2013年京都大学の研究により、ハコネサンショウウオとは異種とされ、分割・独立種となりました。遺伝子解析の結果から約280」万年前にこの地のサンショウウオが孤立、独自の進化を遂げた可能性があるとのことです。体長12~16cm、筑波山の中腹から山頂部の渓流域に生息。「茨城の自然をたずねて(築地書館1994年)」には、山麓にトウキョウサンショウウオ(サンショウウオ科 体長9~10cm、環境省・絶滅危惧Ⅱ類 県・準絶滅危惧)が生息とありますが、自然博物館調査では確認されてなく、県中央部から県北の比較的低い山地や丘陵部に局所的に生息。この2種は小型ですが、自然博物館にオオサンショウウオの写真が掲示されているそうです。これは何なんでしょうか? 聞いてみたいと思います。

  ここから少々脱線した話になります。ガマの油で有名な筑波山名物・四六のガマ(アズマヒキガエル)について。日本のカエルは奄美大島などに生息するオットンガエルを除き前足の指は全て4本、第1指(親指)にあたるものは痕跡的な骨があるだけ。後足の指は5本ですが、繁殖期のヒキガエルのオスにはメスを包接する際の滑り止めとして第1指の内側に瘤(婚姻瘤・番外指)ができ、これを加えると6本に見えないこともありません。

 ヒキガエルの繁殖期間は約1週間と短く、メス1に対しオス3程度とオスには厳しい戦い。オスの性成熟が2年に対しメスは3年、オスは毎年繁殖に参加するのに対しメスの多くは2年に1度のためで、「蛙(かわず)合戦・ガマ合戦」と云われているのはこのヒキガエルの繁殖行動です。

 ガマの油売りの口上にある脂汗は耳腺から出る粘液。これを乾燥したものを「センソ」といい医薬品で強心作用、鎮痛作用があります。この粘液は本来外敵から身を守るための毒。人間が死ぬようなものではありませんが、さわった手で目をこするとチクチクしたり、充血します。犬が齧ると泡を吹いて倒れたりしますが、ヤマカガシ(カエルを専門に捕食するヘビ)には効果がなく、ヒキガエルを食べてその毒を首の後ろの頚腺に貯め、敵におそわれたとき相手の目に吹きかけます。自然界は不思議な世界です。

  ガマの油は大坂の陣に徳川方として従軍した筑波山中禅寺住職光誉上人の陣中薬が評判になったもの。これはガマガエルとは関係なく光誉上人の顔がガマに似ていたとされています。主成分は植物の蒲の花粉「蒲黄(ほおう)=医薬品に指定され利尿・止血効果」など諸説があり、後に筑波山のお土産としてセンソ入りも売られていました。

 ガマの油売りは江戸時代筑波山麓新治永井の兵助が、故郷のガマの油を売りだすための口上を工夫し、浅草寺境内などで披露したのが始まりとされています。切っ先だけがよく切れるよう仕掛けがしてあり、切れない部分で腕を切ったふりをし、血糊を線状に塗って切り傷に見せています。筑波山ガマ口上保存会が結成され、口上実演や講習などの活動を続け、つくば市認定地域無形民俗文化財第1号に認定されています。

 茨城県自然博物館調査報告書、茨城における絶滅のおそれのある野生生物、「水辺の生き物(全国農村教育会 2013年)」、「かえるの気持ち(晶文社出版 2000年)」を参考にしました。

<訂正とお詫び> 
 要注意外来生物は2015年環境省の生態系被害防止外来種リストの公表に伴い発展的に廃止されました。
特定外来生物のアメリカナマズ・オオクチバス・ブルーギルは緊急対策外来種に。旧・要注意外来生物のタイリクバラタナゴは重点対策外来種、カラドジョウはその他の総合対策外来種に移行。さらにハス(コイ科)が国内由来の総合対策外来種に指定されています。国立環境研究所の侵入生物データベースで確認したつもりでしたが、「要注意外来生物に指定」のまま修正されていませんでした。訂正してお詫びします。  (岡崎 隆夫)

 

筑波山の生き物たち(第4回 哺乳類)

 茨城県自然博物館は1995~97年筑波山の哺乳類、2007~09年コウモリを調査。また茨城県レッドデータブック(RDB)2016年版の概要に最近の動向が報告されています。

文献種

ニホンザル、ニホンモモンガ、ヤマコウモリ、アブラコウモリ

 

 サル2匹が本年1月14日、男体山立身石付近で目撃されました。どこから来たのか定着しているのかは不明です。ニホンザルは1923年東北大学実施のアンケート調査に「筑波山中に野猿を時折見かける」とあります。サルは広葉樹に依存し、スギ・アカマツなどが多くなったことが背景と考えられます。これに加え「奈良時代以来殺生禁断がよく守られてきた筑波山で、明治維新後狩猟が盛んになってサルやワシが絶滅したともいわれています。

 1955年に南面中腹以上は禁猟区に指定されています。ニホンモモンガ(ホンドモモンガ 県・絶滅危惧Ⅱ類)は頭胴長14~20cm、尾長10~14cm、体重150~220g、目が大きく前肢と後肢の間に滑空のための飛膜が発達。山地帯から亜高山帯の森林に生息する夜行性、ほぼ完全な植物食。常陸太田市で1994年捕獲、2015年目撃情報がありますが、筑波山は古い文献にあるのみ。ヤマコウモリ(環境省・絶滅危惧Ⅱ類)は1985以降記録がなく、しかも目視と音声による確認のみ。標本がなく県レッドリスト(RL)は絶滅ではなく削除。アブラコウモリは標高50m以下の家屋等をねぐらにする種、つくば市で確認しています。


 

確認種

ジネズミ、ヒミズ、アズマモグラ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ、 ニホンコテングコウモリ、ニホンノウサギ、ニホンリス、ムササビ、 ホンドアカネズミ、ヒメネズミ、カヤネズミ、ハタネズミ、ホンドタヌキ、 ニホンイタチ、ニホンイノシシ

聞取り種

ホンドテン、ニホンアナグマ、ホンドギツネ

 

 

 

 ニホンコテングコウモリ(県・絶滅危惧1B類)は前腕長28~35cm、体重4~8gの食虫コウモリ。ねぐらは丸まった枯葉の中・樹皮下・樹洞・隧道・洞穴など。2007年北斜面で学術捕獲。

 ニホンリス(県・準絶滅危惧)は頭胴長16~23cm、尾長13~17cm、体重250~310g、マツ林を好み樹上に樹皮などで球形の巣を作ります。樹木の種子・果実・花芽・キノコ類を好み、昆虫その他の節足動物も食べます。筑波山の生息数は多いが、全国的には平地の松林の減少により生息地が狭められています。

 ムササビ(県・準絶滅危惧)は頭胴長27~49cm、尾長28~41cm、体重500~1250g、低地から亜高山帯の森林に生息し夜行性で高い所から滑空して移動。筑波山神社境内で糞やスダジイの堅果の食痕、鳴き声や巣など目撃情報があります。滑空に必要な連続した森林と巣穴としての大径木の減少により個体数は減少、牛久市の平地からは近年絶滅しています。

 カヤネズミ(県・現状不明種)は頭胴長50~80mm、尾長61~83mm、体重7~14g、低地から標高1200m程度の草地・水田・畑・休耕田・沼地などに生息。イネ科・カヤツリグサ科の草地に多く、球形の巣を作ります。桜川河川敷の草地で学術捕獲、子供を背負ったものも確認されています。

  ホンドテンニホンアナグマは自然博物館調査では目撃情報のみ、痕跡確認はできていませんが「筑波山の自然図鑑(メイツ出版)」に写真掲載、アナグマは県RDBに「平地から山地まで分布、県南部の平地でも見られるようになり、分布域に回復傾向がみられる」とあります。あるいは調査不足かもしれません。ホンドギツネは目撃情報1件のみで生息実態は不明です。

  ニホンイノシシは霞ケ浦周辺にも定着を見せ始めるなど分布域と個体数を増加させています。体長100~170cm、肩高60~90cm、体重80~190Kg、身体能力に優れた生き物です。時速40Km以上で走れ100mを9秒切るスピード、「猪突猛進」と云われ真直ぐにしか進めないイメージがありますが間違い、急停止し方向転換できます。助走なしで垂直に1m以上飛び、時速4Kmで30Km泳ぐことも可能。また、鼻の力は強く雄で70Kg、雌でも50~60Kgの石を動かすこともでき、土を掘り起こすことも得意。雄は15cmを超える牙をアッパーカット気味に振り回し、人間にとっては太ももの位置に当たり大腿動脈を破り失血死することもある危険な動物。雑食性でドングリなどの木の実・果実・タケノコ・芋・地下茎を好み、ヘビ・カエル・ミミズなども食べます。イノシシ被害は今に始まったことではありません。「生類憐みの令」を進言したのは筑波山知足院住職の隆光。筑波山は徳川幕府と関係が深く、家康は江戸城の鬼門に当たる筑波山を徳川家の祈願所と定め社領(のちに寺領)として500石を寄進、3代家光は幕府直轄普請で筑波山諸堂を新造・再建。5代綱吉の時代には知足院の朱印地は1500石になっています。知足院は飯を炊いて犬に与えたといい、鳥獣が増え田畑が荒らされました。特にイノシシの被害が大きく、石垣で中腹の町と畑を囲んだ「イノシシよけ」が今も見られます。


 

外来種

ハツカネズミ、クマネズミ、ハクビシン、アライグマ、クリハラリス(近くに)

 

 ハツカネズミクマネズミはいずれも世界の侵略的外来種ワースト100、生態系被害防止外来種です。

 ハクビシン(白鼻芯 生態系被害防止外来種)は自然博物館調査では聞取り種ですが、「筑波山の自然図鑑」に写真掲載、県RDBに1990年代以降全県に分布を広げているとあります。頭胴長61~66cm、尾長40cm、体重3Kg 。原産地はヒマラヤ、中国南部、台湾等。戦時中に毛皮用に持ち込まれ日本列島ほぼ全域の市街地から山間地まで広く分布していますが、江戸時代にも記録があり浮世絵等に描かれている雷とともに現れる妖怪・雷獣はハクビシンではないかと云われています。長野県では一時珍獣として県の天然記念物に指定されたこともあります。雑食性で果実や種子を好み、昆虫類・魚類・サワガニから鳥の卵・雛や残飯も食べます。ミカン・スイカ・メロン・モモ・カキ・サクランボ・トウモロコシ・トマト等の農業被害ともに家屋に住み着くと糞尿による悪臭被害を引き起こします。

 アライグマ(特定外来生物 日本の侵略的外来種ワースト100)は茨城県南・県西・県北地域で2000年代後半に同時多発的に確認、分布域と個体数を徐々に増加させています。カナダ南部からパナマ原産。頭胴長40~60cm、尾長20~40cm、体重4~10Kg、稀に20kg。1962年犬山モンキーセンターから12頭が集団脱走し野生化、手足が器用で脱走しやすい動物。またテレビアニメ「あらいぐまラスカル」のヒットにより1970年代後半からペットブームとなり、多い年では年間1500頭も輸入。幼少時は人になつきますが、成獣特に発情期は気性が荒くなり、一般人がペットとして飼育するには難しい動物。アニメ最終回で野生に戻され、同様に自然界に返された個体も少なくないと云われ、急速に拡大しました。雑食性で小型哺乳類・魚類・鳥類・両生類・爬虫類・昆虫類・野菜・果物・穀類等、中でもトウモロコシの被害が深刻です。県は防除計画を策定し根絶を目指しています。罠で捕獲する際の誘引餌にキャラメルコーン・マヨネーズ・揚げパンなどを用いることが多いようです。つくば市にもハクビシン・アライグマ駆除の専門業者がいます。

 クリハラリス(タイワンリス 特定外来生物)は菅生沼東岸を中心に定着、つくば市に隣接する常総市と隣の坂東市は防除計画を策定し根絶を試みています。台湾、大陸中国南部からマレー半島・インド北東部原産。頭胴長20~26cm、尾長17~20cm、体重300~440gのニホンリスよりやや大型。1935年伊豆大島の公園から逸出、その後各地の公園で観光用に放たれ九州から関東まで分布を広げています。食性は樹木の種子・果実・花・葉等、アリ・セミ・カタツムリ・鳥の卵なども少量食べます。最大の問題は冬季に常緑樹の樹皮を剝がし、樹液を舐めスダジイ・ヤブツバキなどを枯れ死させます。「筑波山水源の森づくり」を実施している地球の緑を育てる会にとっては侵入を何としても防ぎたいものです。

  特定外来生物は明治以降に持ち込まれた海外起源の外来種の中から生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼす又は恐れのあるものから指定され、飼育・栽培等、輸入、野に放つことを禁止。研究目的等で許可を受けた場合でもマイクロチップを埋め込むなど個体識別の措置を講じる義務を負います。違反すると個人で懲役3年以下又は300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金など罰則規定があります。生態系被害防止外来種に特定外来生物は全て含まれていますが、法規制のない種も含め特に侵略性が高い外来種をリスト化し、対策の方向性、利用上の留意点等の情報を示す目的で公表されています。このリストの公表により旧来の要注意外来生物は発展的に廃止されました。

茨城県自然博物館調査報告書、茨城県RDB、国立環境研究所侵入生物データベース、 つくばの自然史1筑波山(学園都市の自然と親しむ会編)を参考にしました。

 

筑波山の生き物たち(第5回 爬虫類)

 茨城県自然博物館は2006~08年に県西部の爬虫類を調査しています。

トカゲ亜目

ニホンヤモリ、ヒガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ

 

 ニホンヤモリは茨城県が太平洋岸の北限に近い生息地。環境に応じ体色の濃淡を変えることが出来、全ての指に趾下薄板が発達し垂直なガラス面にも張り付くことが出来ます。全長14cm、人家とその周辺に生息、昆虫類・クモ類・節足動物など人家内外の害虫を捕食することから「守宮・家守」とされました。シーボルトが新種としてJaponicusを付けましたが、平安時代以降にユーラシア大陸から定着した外来種と考えられています。

 ヒガシニホントカゲニホンカナヘビは県内に広く分布していますが、個体数は減少傾向にあります。ニホントカゲは15~25cm、草原や山地にある日当たりのよい斜面等に生息、特に瓦礫・石垣などを好む。ニホンカナヘビは16~27cm、平地から低山地帯の草地や林縁に多く生息。食性はほぼ同じで昆虫類・クモ類・ミミズなどを主に果実も食べます。

 カナヘビとトカゲの見分け方は 

  1. カナヘビの尾長は全体の2/3、トカゲは約半分 
  2. カナヘビの鱗はカサカサし、トカゲは細かく光沢がある 
  3. トカゲは土に潜るがカナヘビは潜らない 
  4. トカゲは逃げ足が速い

 カナは可愛の意味があり可愛い蛇説と金属の色(カナ色)説があり、トカゲは戸の陰にいることから戸陰、早く走って隠れるので敏駆・疾隠から名前が付きました。「蜥蜴のしっぽ切り」は外敵に襲われた際、自ら尾を切り捨てる自切(じせつ)という行動(むしろ反応)。自切した尾はしばらく動き回り、敵の注意を引き付けている間に逃げるチャンスが生まれます。切断面は筋肉が収縮し出血を押さえます。トカゲ・カナヘビ・ヤモリとも再生した尾は短く、中に骨はなく軟骨で支えられていますが、両生類のイモリは骨まで、さらに手足まで再生できます。


 

ヘビ亜目

シロマダラ(県・準絶滅危惧)、ヒバカリ(県・現状不明)、アオダイショウ、 ジムグリ、シマヘビ、ヤマカガシ、ニホンマムシ

 

 

 シロマダラは県RDBに近年確認例が増えているとあります。夜行性で全長30~70cm、山地から平地の主に森林に生息、気性が荒くトカゲや小型ヘビ類などの爬虫類を捕食。

 ヒバカリは自然博物館調査では確認されていませんが、筑波山の自然図鑑(メイツ出版)に写真記載。全長40~60cm、水田・湿地・用水路を好み泳ぐのが上手、カエル・オタマジャクシ・ドジョウ・ミミズなどを捕食。無毒ですがかつては毒蛇とみなされ、名前は「噛まれたら命はその日ばかり」に由来します。

 毒蛇はヤマカガシとニホンマムシ。

 ヤマカガシは60~100cm、平地や低山地の水辺・水田地帯・湿地周辺に生息、カエルを主に捕食。毒は2種類。1つは四六のガマで紹介したヒキガエルの毒を頚腺に貯めもので、危険が迫るとコブラのように頭を持ち上げゆすり、頚腺を目立たせることで威嚇します。自身も毒を持ち、毒牙は2mm以下と小さく、咬傷直後には激しい痛みや腫れはあまり起こらない。毒が血液に入ると強い血液凝固作用により止血作用を失い、並行して血栓を溶す作用が亢進、鼻粘膜・歯茎・消化器官・肺から出血、重症例では脳出血・急性腎不全などを引き起こします。

 ニホンマムシはハブと比較して、毒量は少ないが毒性は強い。子供で産む卵胎生、全長45~65cmと小さく平地から山地の森林・藪に棲み、水田や小さな川周辺など水場に多く出現。小型哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類を捕食しますが、動物が出す熱(赤外線)を感知するピット器官があり、暗闇でも獲物を見つけられます。関西では鰻丼をマムシと云いますが、ヘビのマムシとは関係なく「鰻飯(まんめし)」の訛り説と飯の間に挟んで蒸す「間蒸し(まむし)」説があります。

 ジムグリは全長70~100cm、平地から低山帯の森林・草原・水辺に生息、地中や石の下によく潜ることから命名。

 シマヘビは全長80~150cm、主に耕地・河川敷に生息、カエル類を主にネズミ等を捕食。桜川市などで確認していますが、生息数は少ない。

 アオダイショウは全長100~200cm、水田・草地・森・林のほかに住宅地にも生息。無毒で性格もおとなしく、普通種として広く分布しています。鳥・卵・小型哺乳類を捕食。卵を丸呑みした場合、これを割るために高い所から落ちると云われますが、誤って(ドジって)落ちたものです。


 

カメ目

クサガメ、ミシシッピアカミミガメ(生態系被害防止外来種、世界・日本の侵略的外来種ワースト100)。未定着外来種=カミツキガメ(特定外来生物・日本のワースト)、ワニガメ(生態系被害防止外来種)、ハナガメ(特定外来生物)

 

 

 

 クサガメは甲長20~30cm、流れの緩やかな河川や低地の湖沼に生息、桜川市で散発的にごく少数の個体を確認しているのみ。雑食性で水草・水生昆虫・甲殻類・カエル・魚類等を食べます。捕まえると臭いにおいを出すことから名前が付きました。「銭亀」は本来ニホンイシガメの幼体ですがその数を減らしており、現在はクサガメの幼体が銭亀として売られています。クサガメは在来種とみなされてきましたが、遺伝学的な解析結果から中国・朝鮮半島から持ち込まれた外来種との説が有力です。縄文時代・弥生時代の遺跡から見つかっていません。とするとニホンイシガメは茨城県西部では確認されておらず、カメは全て外来種なの?

  ミシシッピアカミミガメは米国南部からメキシコ北東部原産。甲長4cmのうちは背中が緑色で「ミドリガメ」として縁日やペットショップで売られていますが、2年目には緑色が消えオスはしばしば全身が黒色化。メスは28cm位まで育ち、飼いきれずに遺棄されるものが多い。1950年代に輸入が始まり、年間に数十万~百万匹近くが輸入され多少水質の悪い場所でも生息でき産卵数も在来種より多く、しかも他のカメの卵を食べる習性があります。飼育等を原則禁止している特定外来生物に指定されていません。環境省はその理由を(旧)要注意外来生物で次のように説明しています。「遺棄や逸出による個体が広く定着しているが、大量に飼育されており規制により代替となるカメ類の輸入が増大する可能性や、遺棄される可能性などが考えられる。販売・飼育に当たっては飼い主が責任をもって飼育することを確認する必要がある」とし取扱注意にとどめています。しかし、原産国米国は販売禁止、輸出のみを認め、オーストラリア・韓国等は輸入禁止となっています。雑食性で藻類・水生昆虫・エビ・貝類・魚類など様々なものを食べます。公園の池などで日向ぼっこを見かけますが、爬虫類は変温動物。体温を上げるためにエネルギーを使わず、哺乳類と比較して1/10の食べ物で生活できます。トカゲもよく日向ぼっこします。

  他に定着はしていないものの、ペットからの逸出個体と思われる外来種が各地で発見されており、繁殖の可能性は否定できません。カメは寿命が長くいったん自然繁殖すると根絶は難しいと思われます。

 カミツキガメはアメリカ大陸原産、甲長49cm。1950年代以降輸入、そこから遺棄・脱走して自然界に入り利根川水系の印旛沼で繁殖、産卵数は20~30個、稀に100個と多く、千葉県は専門職員を配置し駆除に努めています。肉食の強い雑食、水草・水生昆虫・甲殻類・魚類・小型カメ類など様々なものを食べます。本来は臆病で水中では人を襲うことはなく、陸上では身を守るため噛みつき、強力なあごの力は危険です。

 ワニガメは米国南東部原産、甲長最大80cm、最大113kgの大型種。飼育下では58年10か月を記録、上野不忍池で産卵している個体が捕獲されたこともあります。河川・湖沼に生息し、肉食傾向の強い雑食性、魚類・両生類・甲殻類・水草などを食べます。

 カミツキガメはマムシ・ヤマカガシと共に特定動物に指定。特定動物とは動物愛護保護法で人の生命・身体又は財産に害を加える恐れのある動物。飼養・保管は知事の許可が必要、飼育には一定の施設やマイクロチィップを埋め込むなどが定められています。原産国米国では開発による生息域の破壊・水質汚染・食用やペット目的の乱獲などにより生息数が減少。2006年にワシントン条約付属書に記載されました。

 ハナガメは中国・台湾などが原産、斑紋が花に見えることから中国名「花亀」。最大甲長24cm、古くからペットとして輸入されていましたが、中国で生息数が激減、2005年ワシントン条約付属書に記載。日本国内の飼育下繁殖個体が流通していましたが、2016年特定外来生物に追加指定されました。

≪情報≫ツクバハコネサンショウウオが環境省2017RL絶滅危惧1A類に追加指定。

10.「ユーキャンの森in筑波山」第3回植樹祭開催

 9月24日(日)、通信教育で躍進する(株)ユーキャンの社員研修としての第3回植樹祭が筑波山神社林内で行われました。

 これに先立ち、当会有志は間伐などの造成作業をして植樹に備えました。ほどよい天気に恵まれた植樹日当日は、社内の行事がいろいろと重なって参加者は5人と少なめでしたが、事業は継続が大事、ご参加の方々の意思が尊いものです。間伐して出来上がった植樹地は、移植ゴテがすっと素直に入るところなので、全体を耕起することはせず、大き目の植穴を掘って10種100本の広葉樹を植えていきました。

 筑波山神社拝殿前でお祓いを受け、林内での植樹は心身ともに清々しく、さわやかな気分で山をおりることができるとの参加者の声でした。林内を整備し植樹することで、より長持ちする水源の森へと再生することが第一目的ですが、この作業をすることで、仕事に追われる日常から離れ、異空間での体験が精神的なリフレッシュに繋がり、付加価値が生まれるのです。

  昨年度、一昨年度植えの苗も、林間の木漏れ日を受けながら、ゆっくりと、健全に生育しており、参加者はその姿に安心、来年をまた期待して下山されました。

 

間伐材の葉のマルチングで植樹完了 植える 植える

間伐材の葉のマルチングで植樹完了

植える

植える

 

11.「アステラスの森in筑波山」第6回植樹祭開催

 

 10月8日(日)、アステラス製薬株式会社の第6回目となる植樹祭が筑波山神社林内で行われ、当会はこの活動の全般を支援させて頂きました。同社は植樹祭当日、植えるだけでなく、植栽の造成作業から参加されます。

 9月30日、当会の有志によって30本以上の間伐がされた植栽地の整備を行い、間伐材を移動して土砂流失防止の土留めを造り、間伐したヒノキの枝からマルチング用の葉もカット。植樹祭前日の10月7日には40人の社員が参加して耕起等の準備を行う予定でした。が、夜中からどしゃぶりの雨、開会式には雨は上がり、皆様予定時刻にお集まりでしたが、現場の急斜面等の危険を考慮して、耕起作業は残念ながら見送りました。

 現場は安全が第一です。翌9日は晴れ、年々参加者は増えて今年は95名。植栽地は全面耕起の必要が要らない比較的柔らかな地質、同社で育苗している苗150本と当会が提供する苗450本、合わせて600本が手慣れた様子でどんどん植えられていきました。マルチングもスムースに完了、怪我無く終了です。これまで植えたれた苗も健全に生育、皆安堵して帰られました。

当会圃場で育てられた苗 間伐作業 苗は各自が運び上げる

当会圃場で育てられた苗

間伐作業

苗は各自が運び上げる

筑波山神社拝殿前で記念撮影

筑波山神社拝殿前で記念撮影

 

12.「土浦ライオンズクラブの森in筑波山」第3回植樹祭開催

 11月2日(木)、土浦ライオンズクラブは第3回となる筑波山での植樹活動を行いました。

 一昨年の植樹地続きに20㎡に50本のシイ、タブ、カシなどの常緑広葉樹を植えました。当会はこの作業に先立ち、間伐、造成作業を行い植樹に備えました。

 当日は例会の都合上、背広姿で午後3時からの植樹でしたが、ライオン15名は手慣れていてあっと言う間の作業でした。

間伐材の葉でマルチング 筑波山神社拝殿前の記念撮影  

間伐材の葉でマルチング

筑波山神社拝殿前の記念撮影

 

 

13.「和興フィルタテクノロジー株式会社静岡第二工場」の森づくり

苗や資材の荷下ろし

苗や資材の荷下ろし

 11月25日(土)、和興フィルタテクノロジー株式会社は静岡県袋井市にある同社静岡第二工場の敷地周囲の一部に潜在自然植生による32種1736本の植樹を行い、当会は活動を前面的に支援させて頂きました。

 同社は社会貢献活動として、2007年から2010年の4年間継続で毎年工場周囲に合計16000本の自然植生に叶った常緑広葉樹を植え、10年以上の歳月を経て苗は健全に生育、当時建設されたばかりの工場は現在、豊かな、清潔な緑環境の工場となっています。「美しい地球を美しい未来のために」が同社のキャッチフレーズです。

  植樹祭前々日から入った当会有志は、業者さんが造成した植栽地で事前の細々した準備作業を行い、夜には懇親会があり、同社のリーダーの方々、当会のメンバーが交流を深めて当日を迎えました。リーダー達の植え方、縄の掛け方等入念な打ち合わせの結果、参加して下さった80余名の社員も楽しく真剣に作業し、素晴らしい仕上がりの植樹祭となりました。

 何より10年前に植えた苗が立派な森となっている様子を目の当たりにしている社員の皆様が、植樹の意識が高いのは当然のことです。防災環境林造成のみならず、脱炭素化が世界的に叫ばれる昨今、炭酸ガス固定の意味でも時代を牽引する企業として発展してほしいと願っています。

事前準備完了
植える 植込み、敷き藁、縄掛けで完了

事前準備完了

植える

事植込み、敷き藁、縄掛けで完了

敷藁、縄かけ、良好な仕上がり 2007年3月植樹の現在(2017.11.24撮影) 2008年3月植樹の現在(2017.11.24撮影)

敷藁、縄かけ、良好な仕上がり

2007年3月植樹の現在
(2017.11.24撮影)

2008年3月植樹の現在
(2017.11.24撮影)

 

14.北茨城市の関南小学校で育てられた苗

小学生のメッセージ集

小学生のメッセージ集

 北茨城市の関南小学校では(公財) ブルーシー・アンド・グリーンランド財団の育苗による青少年の育成プログラムを採用、小学校4年生から6年生までの2年間でどんぐりを拾い、ポット苗にして管理してきました。

 3月の卒業を前にそれらの苗120本を当会でお預かりし、植樹適期になったら筑波山植樹に活用させて頂くことになりました。12月22日、同市教育振興課の小室様がお越しくださり、育てた小学生の素敵なメッセージ集を頂きました。

 5年生は、どんぐりから芽がでるなんて知らなかった、大きさが10㎝になったなど素朴な感想、6年生になると、炭酸ガス吸収による地球温暖化防止のことや、生態系の循環などを取り上げる内容が多く、学びの多いことがとても良くわかりました。筑波山の植樹には是非、生徒さんに参加して欲しいです。

 現在、苗はまだ幼く、寒さの被害を避けてハウスで管理されています。春先の芽吹きが楽しみです。