1.(続)筑波山水源の森づくりへのお誘い(日本財団助成事業) 
                            ---地震による「入山禁止」のため中止となりました

緊急のお知らせ

3月11日(金)に発生した未曾有の大地震。続々と被害の深刻さと状況が伝わってきています。被災されたみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。私たちもできる限りの救援をしていくつもりです。

さてこの地震により、安全が確保されるまで筑波山は『入山禁止』となりました。まことに遺憾ではありますが、日本財団の方からも了解を得、下記に予定していました3月26日(土)の植樹祭は中止とさせていただきます。 なにとぞよろしくご了承ください。

 筑波山水源の森づくり第8回植樹祭のお知らせ

 筑波山水源の森づくり第8回植樹祭を、下記要領にて開催します。2006年4月、関係者の協議と調査で始まった植樹も、今年で5年目となりました。この間、毎日新聞社、国土緑化推進機構、日本財団、筑波山神社等の直接的ご支援に加え、開墾作業にご参加の方々、植樹祭にご参加の方々、フォーラムに登壇された各界のリーダーの方々、その他各方面からのご支援は枚挙に暇がありません。

 当会10周年でもある今回の植樹祭は、節目の年に相応しく、原点に戻って、宮脇先生の講演も頂きながら、次のステップに繋げていきたいと思います。 この植樹祭以降は、着実に長く続けることを第一に考え、小規模でも開墾と植樹を同時に行い、皆様に開墾と植樹の両方を経験していただくことを計画しております。具体的な方法につきましては、決定次第ご案内させていただきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 また、3月26日の植樹祭の翌日、27日、宮脇先生の所属される(財)地球環境戦略機関主催のイベント(横浜国立大学名誉教授・宮脇昭先生及び筑波大学名誉教授・村上和雄先生の講演と対談)が行われます。お二人とも当会の顧問です。国際森林年に相応しい筑波山植樹祭と連動した環境課題への参加イベント、詳細は、下記12、13の項目、または別紙(PDFファイル)をご覧頂き、奮ってご参加下さいますようお願い致します。なお、当会理事長・石村章子氏は対談の司会者の一人として参加します。

日 時

2011年3月26日(土)

場 所

筑波山南西麓

集合場所

筑波山神社社殿前

受 付

8:30

開会式

9:00

植樹地移動

9:40

植樹終了

11:30

昼 食

12:00 筑波山神社境内 (軽食弁当用意あり)

申込み方法

3月20日まで、メール、電話、ファックス等で申し込み下さい。

Tel&Fax 029-757-1539

携 帯   090-7840-0496

E-mail  office@greenglobe.jp

講演会

日 時

2011年3月26日(土)

場 所

筑波山青木屋ホテル (筑波山神社前)
つくば市筑波753-1 (電話 0298-66-0311 )

集合場所

青木屋ホテルロビー

受 付

12:30

開会式

13:00

講 演

■宮脇昭(横浜国立大学名誉教授)  ―いのちを守る鎮守の森―

■田中泰一(筑波山神社宮司)     ―神道の自然感―

申し込み先

Tel&Fax 029-757-1539

携 帯   090-7840-0496

E-mail  office@greenglobe.jp

 

3月26日、27日の両方のイベントを一泊バスツアーで楽しみませんか。

■26日、植樹祭、講演会終了後、筑波山神社周辺のホテルに宿泊し、早春の筑波山を楽しみ、翌日午後、横浜市みなとみらいのパシフフィコ横浜国際会議場で開催される環境フォーラムに参加が可能なバスツアーです。

■宿泊は各自で予約をお願いします。(参考・宿泊場所)

筑波山京成ホテル   029-866-0831
青木屋ホテル       029-866-0311
つくばグランドホテル  029-866-1111
筑波温泉ホテル     029-866-0521
筑波山江戸屋      029-866-0321
彩香の宿一望      029-866-2222

■バス費用   2,000円 【9:00 青木屋ホテル前出発  パシフィコ横浜ホテル到着予想時刻 11:00】

■申込締切  3月20日【定員になり次第締め切らせて頂きます】

2.IGES-JISE市民環境フォーラムのご案内  (⇒PDFファイル
                                     ---東北・関東大震災のため中止となりました

  

いのちと心と遺伝子を守る森づくり-元気を取り戻す知恵- 

開催概要

 

開催日時

2011年3月27日(日) 13時~17時00分

開催場所

パシフィコ横浜国際会議場メインホール(参加者1000名予定)

参加費

無料(但し事前登録が必要)

主 催

財団法人地球環境戦略研究機関・国際生態学センター

共 催

NPO法人国際ふるさとの森づくり協会

 

開催目的

 今回は従来のフォーラムとひと味違い、遺伝子工学の第一人者である村上和雄 先生をお招きし、遺伝子のメカニズムをお話し頂きます。
  人の遺伝子の多くは眠っていますが、「良い遺伝子」を様々な刺激でスイッチを オンにすることができれば、私たちの可能性は飛躍的に向上します。
  良い遺伝子をONにする刺激とはまさに森づくりを通して自然に触れる、いのちに触れることなのではないでしょうか。
  物もサービスも格段に豊になったはずなのにテレビも新聞もインターネットの 中でも、暗いニュースがあふれている現在、素晴らしい未来を子どもたちに引き 継ぐことができるかどうかは、私たち自身の取り組みにかかっています。
  今回は元気になる生き方を皆様と一緒に考え、いのちを守る森づくりを推進す ることを目的としてフォーラムを開催いたします。

プログラム (予定)

 

12時30分

開場

13時00分~13時05分

主催者挨拶

13時05分~14時15分

講演「遺伝子スイッチON-OFFのしくみ」
     -元気になるみなもとに迫る-

講師:村上和雄(筑波大学名誉教授)

14時15分~15時25分

講演「いのちと心と遺伝子を守る森づくり」
    -森づくりを通して元気を取り戻す-

講師:宮脇 昭(国際生態学センター長)

15時25分~15時40分

-  休  憩  -

15時40分~17時00分

二人の巨人から学ぶ「プラス思考で日本に元気を」

司 会:新川 眞 (国際生態学センター)
     石村章子(NPO法人「地球の緑を育てる会」理事長)

出席者:宮脇 昭 (国際生態学センター長)
     :村上和雄(筑波大学名誉教授)

17時00分

閉会

申し込み先

氏名・住所・電話・参加人員を記入の上、下記まで申込下さい。

〒220-0073 横浜市西区岡野2-12-20
(財)地球環境戦略研究機関・国際生態学センター

TEL:045-322-1223    FAX:045-322-1225    Mail:ecoinfom@jise.jp

3.筑波山植樹再開について 

 

 3月11日の巨大地震発生の影響を受けて、筑波山神社周辺も被害を受け、また筑波山中では当日の落石事故からお亡くなりになられた方もあり、筑波山神社は全山入山禁止状態が続きましたが、5月31日現在、一部登山コースを除いて入山可能です。

 これまでの植栽地に植えられた苗も健全に成育、予定の3月26日に向けて進めてきた開墾地も異常が見られませんでした。これまでは植樹祭の日に向けてある広さを確保するまで毎週日曜に開墾作業を行い、植樹祭の日にまとめて1000本単位の苗を植えてきました。これからは、次の方法で行いたいと思います。

  1. 開墾作業を行う日にある程度の苗を参加者が搬入する。
  2. その日の開墾作業で確保できた植栽地に、その日のうちに搬入した苗を植える。
  3. 雑草、雑木、除伐材の葉等で、その日にうちにマルチングも行う。
  4. 以上の方法で行うメリット
    • 開墾し土が柔らかく一番良い状態のときに苗を植えることが出来ること
    • 参加者が植栽地の造成から植樹までを小規模ならが全て経験できること

少しずつでも継続することは力となります。個人でも団体でも参加される方を募ります。

ご関心のある方は、Mail:ecoinfom@jise.jp 電話・090-7840-0496等でお問い合わせ下さい。

4.林野庁広報誌に当会が紹介されました 

 

林野庁発行の広報誌「RINYA」、2011年5月付けNo.50号に当会の活動が紹介されました。

林野庁発行の広報誌「RINYA」 ←クリックすると拡大されます。

5.明治乳業第3回植樹祭

 明治製菓と合併した明治乳業株式会社は2011年4月1日、「株式会社明治」と改名。新会社としてのスタートならびに3月11日の東日本大震災の復興記念として、同社守谷工場の一部、230㎡に、6月19日、シイ、タブ、カシ類を主木に26種909本の苗を植えました。当会はこの植樹祭の資材、機材等の準備、手配、植樹指導の支援をしました。

 本来4月19日の植樹予定が地震やそれに続く原発事故の影響で延期されていましたが、当日は天候にも恵まれ、工場勤務の社員やその家族約80名が手際よく植込みや稲藁を敷き約1時間半で終了。

 2009年、2010年に続いて第3回目の植樹であり、以前に植えられた苗の健全な成長に参加者は驚きと共に喜びながら、今年の苗の成長を期待した様子でした。

植栽地の造成 班毎に分配された苗 植える

植栽地の造成

班毎に分配された苗

植える

植える 2011年6月植樹完了(6月19日撮影)  

植える

2011年6月植樹完了(6月19日撮影)

2009年4月植え苗の成長 2010年4月植え苗の成長  

2009年4月植え苗の成長

(6月19日撮影)

2010年4月植え苗の成長

(6月19日撮影)

 

 

6.助成金について 

 

 7月1日、(社)国土緑化推進機構より「中国雲南省昆明市海口林場の植林」について助成金の交付が決定しました。

7.雲南省ツアーのお知らせと報告  詳細はエコツァーのページ 旅行社のチラシ(PDFファイル)

 

 昨年12月、宮脇先生は昆明市、西双版納タイ族自治州を視察調査されました。

 昆明市西山区海口林業試験場は昆明市林業局の管轄下にあり、日中友好の森をつくり、中国の植え方、と宮脇方式の植え方を実施し成長を観察学習するには適した場所であることから、今回、日本からの植林ボランティアを募集します。

 日程、募集内容等についてはエコツアーの項をご覧さい。3月11日発生の地震及び津波、原発の事故等を考慮し、今回は西双版納への訪問及び植樹は断念、ショートコースになっています。民族村や自然世界遺産の石林の見学もあります。是非ご参加下さい。

 

報告 雲南省昆明市での植樹祭

 昆明市の緑色環境発展基金会の植樹活動支援の依頼を受け、2010年12月、(財)地球環境戦略研究機関国際生態学センター長で横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生、同機関の研究員・目黒伸一氏を中心とする一行6名は、昆明市およびタイ族自治州西双版納孟海県を視察調査、その結果を踏まえ、本年7月にまず、昆明市西山地区海口林場敷地20ムー(1ムー=660㎡)のうち、8.5ムー(5610㎡)を日本式(宮脇方式)で植樹の合意をしました。

 同林場では、これまで2m×2mに1本の間隔で植樹してきましたが成長は芳しくなく、今回、日本の(社)国土緑化 推進機構の助成金を活用して宮脇方式を採択、長さ30m幅5m高さ2.5mのカマボコ状のマウンドを築き、そこに6種類のポット苗・冬樱花、石楠、银木荷、香樟、滇青岗、西藏柏を3本/1㎡の高密度で植え、互いの苗を競い合わせて森を促成させる方法を忠実に実行しました。 この植樹を実現するため、メールを頻繁にやりとりし、事前に当会関係者が現地入り、現地責任者や現場作業の人びとと植栽地造成等の調整を行いました。

幅5m長さ30m高さ2,5mに土盛り造成された植栽地、敷き藁の代わりにコモを設置 苗も適切な場所に配置 植樹祭に参加の現地住民

幅5m長さ30m高さ2,5mに土盛り

造成された植栽地、

敷き藁の代わりにコモを設置

苗も適切な場所に配置

植樹祭に参加の現地住民

苗の名前を笑顔で復唱する小学生 既に設置されたコモを広げて、植え穴を掘って苗を植え込む 植える小学生

苗の名前を笑顔で復唱する小学生

既に設置されたコモを広げて

植え穴を掘って苗を植え込む

植える小学生①

 7月12日から17日の植樹ツアーに参加した日本からの一行11名、中国側からの基金会、林 場関係者、地域住民や小学生など約100名と共に、13日、2本のマウンドに約1000本を植え、残りの約13000本は、現地の人たちにより後日、植えられました。 苗の寒暖からの保護、土砂流失防止、雑草止め等の目的から日本では植樹後敷藁をしますが、藁が季節的に入手困難なため、今回は目の粗いコモ(藁をざっくりと粗めに編んだ物)を植樹前に敷き、縄で縛り、その後に植え付け位置の藁の網目をカッターで切って隙間を作り、そこに植えるという方法を採りました。完了すると日本での方式と変わらぬ出来上がり。現地では全く初めての植樹方法で参加者は興味深げに作業を続け、今後の苗の健全な成育を期待し、参加者全員での記念撮影後、散会しました。

植える小学生 植える べつなマウンドでは、コモの設置が同時進行中

植える小学生②

みんなで植える

別のマウンドでは、

コモの設置が同時進行中

宮脇昭先生と陳継海理事長(右) 植樹終了 手の空いた人たちで記念撮影

宮脇昭先生と陳継海理事長(右)

植樹終了

手の空いた人たちで記念撮影

記念石碑の前で記念撮影 全ての予定地の植樹を完了 全ての予定地の植樹を完了

記念石碑の前で記念撮影

全ての予定地の植樹を完了①

全ての予定地の植樹を完了②

全ての予定地の植樹を完了 全ての予定地の植樹を完了 全ての予定地の植樹を完了

全ての予定地の植樹を完了③

全ての予定地の植樹を完了④

全ての予定地の植樹を完了⑤

  翌14日、下記要領でシンポジュームが行われました。

会場:昆明市雲南林業職業技術学院講堂
時間:9:00~12:00
内容:下記の通り

  1. 陳継海・緑色環境発展基金会理事長挨拶
  2. 石村章子・NPO法人地球の緑を育てる会理事長挨拶
  3. 宮脇昭 横浜国立大学名誉教授講演 タイトル「宮脇方式による森づくり」
  4. 马焕成 西南林業大学林学院副院長 タイトル「雲南省における森づくり」  
  5. 質疑応答

 学生、林業局関係者を中心に聴衆者は約100名、宮脇先生による日本の生態系に基づいた植樹方法、馬教授による中国雲南省の植林への様々な取組についての講演を熱心に聴きました。

  講演する宮脇先生 聴衆者

 

講演する宮脇先生

聴衆者

  以上の植樹と講演会の開催は緑色環境発展基金会との協力信頼関係を一層深め、今後の雲南省での友好植樹活動への励みと自信に繋がりました 。 

8.稲藁の収集

 「宮脇方式」の植樹では、ポット苗を植えた後、稲藁を植栽地全体に敷詰めます。幼苗の寒暖からの保護、土砂流失防止、防草、防虫など様々な効果を発揮して2、,3年後、土に戻ります。現在機械力による稲刈りでは、藁を短くカット、田んぼに漉き込みますので、長い藁の状態を農家にお願いし、この藁を集めるのです。束ねる

 稲藁の収集は、育苗、土づくり、植樹、植栽地造成等の作業の中でも最も重労働です。稲刈り後、程よく乾燥した藁を素早く集めなければなりません。雨に当たれば、乾燥するまで待たねばならず、藁も質が落ちるのでお天気と相談しながら有志が集まります。昨年、今年と9月なのに連日35度前後の猛暑日、逃げ込む日陰のない、ひたすら広い田んぼで、藁を適度な分量に纏めては縄で括る、この単純作業をひたすら繰り返し、出来上がった大量の束をトラックまで運ぶのです。1時間おきに休憩をとり、大量の水分や食糧を補給しながらの作業、夕方には足腰がずっしりと重くなります。

 この藁収集を始めて7年になりますが、作業をしながらいつも思うことがあります。機械力に頼らなかった時代の農作業の大変さ、一粒の米も粗末にするなと言った昔の親たちの教育、宮脇先生が夏の田んぼで雑草と格闘する農家の人たちの苦労を見て雑草学の道に進まれたことへの想い、嫁いびりに泣いたころの農家の主婦たちの苦労等々。そして想うのです。徴兵制ならぬ徴農制を導入、誰もが若いうちに一度は土と交わり、土から食を得ることの苦労と重要性を理屈抜きで学んではどうか等々・・・。

トラックに集める マルチングとして使用される藁 筑波山と田んぼのすぐそばを走る常総線

トラックに集める

苗の寒暖からの保護、土砂流出防止、防草、防虫などの効果のため、

植樹直後にマルチングとして使用される藁

筑波山と田んぼのすぐそばを走る常総線

 

9.筑波山植樹

 今年は、有志が一日で造成作業から植樹まで全ての行程を小規模でもこなす方法で、入山が解禁になった6月から植樹を始めました。

 苗搬入これまでに約1400本の苗を植えることが出来ました。根や大石を取除き、やわらかく土を起し、一番いい状態のときに苗を植える、しかも一本、一本、間隔を考慮し樹種の重なりのないよう、心を込めて植えられるので参加者には大変好評です。猛暑にも負けずしっかりと根付いています。

 毎週日曜日というと、いつでも行けるという安心感から別の予定を入れてなかなか行かれないという声もありましたので、これから原則として第一、第三日曜日に行います。でも、諸事情により出来ない場合もありますので、参加希望者は必ず事前に一報下さい。 メール または 石村・090-7840-0496まで。

土起しする人、植える人 植える 葉っぱのマルチング

土起しする人、植える人

植える

葉っぱのマルチング

 

10.川内村の植樹祭

 福島県双葉郡川内村は東京電力福島第一発電所の3.11の事故により、20キロ~30キロ圏内の緊急避難準備区域に指定され、村民約3000人が村外に避難を余技なくされていますが、約200人は村に残っています。

 9月30日、政府は緊急避難準備区域に指定されていた川内村など20キロ~30キロ圏内の市町村を原子炉の冷却温度が100度を下回り安定してきたことから、この指定を解除しました。これに先立ち、村に残る女性陣の「川内にむかえる会」(秋元洋子会長)は、昨年9月に行われた植樹祭を今年も続行させ、戻ってくる村人を元気に迎えたいと植樹祭を企画しました。

 毎日新聞社の支援を得て、9月25日、アスレチックの跡地の一部、約300㎡にシイ、タブ、カシを中心に900本の植樹をしました。当会有志は前日より村に入り、造成の準備など植樹活動を支援、自分たちが育てたシラカシのポット苗250本を寄付させて頂きました。

 事前に双葉郡森林組合の方々が植栽地に繁茂するカヤを刈り、土を切返して放射性物質にも対処、全面を平坦に耕起しました。前日、当日ともに雲ひとつない快晴に恵まれ、「むかえる会」の元気な女性軍、双葉郡森林組合の有志、掛川からの時の壽の森クラブの有志、NICEからベトナム、タイ、ネパール、メキシコ、アメリカの各国有志、そして当会のメンバーなどが前日の植栽地づくりに汗を流しました。

 5m間隔に畦を作り、掘り下げることで平坦地をカマボコ状のマウンド5本に造成、時間の許す限りスコップ、クワ、シホンコウ等で耕起、柔らかい植栽地に仕上げました。当日は、仙台から輪王寺の一行7名、避難していた双葉郡森林組合のメンバー9名も加わり、総勢約80名が宮脇先生の植樹指導を受けて、苗を植え、牧草やカヤをマルチングして終了しました。少人数だけれど、参加者が和やかに心を一つにして一生懸命活動し、有意義な植樹祭となりました。

 遠藤雄幸村長の挨拶によれば、川内村は上水道が無く、周囲の豊かな森林が保水する地下水で村民は生活しており、まさに川内村の森は命の森であるとのこと。唱歌「ふるさと」の歌詞を彷彿させる村の森や川の美しさと漂うのどかさに、村の再興を願わずにはいられません。冬を耐えてしっかりと苗が生き抜き、村の賑わいを取り戻す復興のシンボルとなることを希望します。

機械力による土の耕起 畦つくり、人力でマウンドの造成、土起し 苗の分配作業

機械力による土の耕起

畦つくり、人力でマウンドの造成、土起し

苗の分配作業

開会式で挨拶する遠藤雄幸村長 海外からのボランティア 植え方の指導をする宮脇先生

開会式で挨拶する遠藤雄幸村長

海外からのボランティア

植え方の指導をする宮脇先生

準備の整った植栽地 植える 牧草、カヤでマルチング、植樹完了

準備の整った植栽地

植える

牧草、カヤでマルチング、植樹完了

 

11.㈱ゴールドウィン、立正佼成会足利協会有志等々の筑波山植樹活動

 スポーツウェアーなどを手がけるアウトドアスポーツ系の会社・㈱ゴールドウィンは当会の筑波山の植樹活動に賛同、10月25日、同社有志15名は早朝、筑波山に集合、夫々がクワ、ツルハシなどの開墾用具を手に手に、当日植え込む苗木を背負子に背負って植樹に向かいました。

 アルピニストが条件の社員の皆さんは格好も決まっていますが、動きも早く、午前中に土起しや土留め作業などで約60㎡の植栽地を造成、午後からシラカシ、アラカシ、クスノキ、タブノキ、スダジイ、ヤマザクラ、カクレミノ等々15種類200本の苗木を植えました。初めての山林植樹ボランティア活動で、心地良い汗を流した皆さんは、今後も有志を募って参加したいと抱負を語りました。

田中宮司の挨拶を聴くメンバー 土起し作業 作業を終えて

田中宮司の挨拶を聴くメンバー

土起し作業

作業を終えて


立正佼成会足利協会のメンバー 同月30日、立正佼成会足利協会の有志6名は当会会員で群馬県邑楽町在住の室崎和夫さんに案内され、同様に筑波山植樹に参加、当会有志と共に㈱ゴールドウィンと同様の活動を行い、15種200本の苗木を植えました。

 シルバーエイジが中心の参加でしたが、石の掘起こしなども果敢に挑戦、開墾済みの植栽地も含めて当日運んだ苗は全て植え終わりました。

 3 .11の大地震の後、入山禁止、3月26日に予定していた植樹祭が中止となりましたが、6月、植樹活動が再開された時点から、日曜日の活動可能な日々に行った植樹の累計、延べ人数130人、面積800㎡、植樹本数2000本となり、少ない人数でこつこつと進めましたが、土起しを行って充分柔らかい状態で植えられた苗は、しっかりと根付いて健全に成育しています。

 来年以降、アステラス製薬株式会社、和興フィルタテクノロジー株式会社などがこの方式での植樹を企画しています。

 

12.つくば市立北条小学校植樹祭支援

 北条小まつり北条小学校は明治7年設立のつくば市では最も古い小学校ですが、北条町立尋常高等小学校100周年を記念し、11月5日に北条小まつりを、同月8日に植樹祭を行いました。

植樹祭チラシ この植樹活動は日本財団の助成支援によるもので、炭酸ガス固定や地域美化のみならず、学校や周辺地域の住民の命を守る防災環境林としての役目を重視しています。同校体育館北側の植樹は、隣地所有者の耕作放棄により耕地一面に繁茂した高さ約4mのアズマネザサの校庭への進入を防止し、万一の火災類焼を未然に防ぐ効果は大きいです。
← (クリックしてご覧下さい)

 植樹地は既存樹木、校庭遊具、下水配管等々を考慮し、校庭周囲18箇所に分散した合計約400㎡。当会は同校、同校PTAと共に北条小学校森づくり実行委員会を組織、植樹の調査、企画、手配や準備等一切を支援、苗木も半分は当会の苗木を使用しました。植樹地を整地

  全校生徒197名、父兄、先生、ボランティアを含め約250名が8班を編成、校庭周囲18箇所の夫々の大きさの異なる植栽地を担当。班長となった先生方は事前研修として植栽地の一部を使用して実際に植込みや敷藁、縄賭けを学習、班長補佐のボランティアと一緒に、児童の混乱のないよう指導しながら作業を行いました。植樹祭新聞掲載

 はじめは戸惑った様子の児童もいましたが、いつの間にか植樹も進み、無理かと思われた敷藁、縄賭けの作業まで積極的に行いました。小さい班を担当した生徒は、自分たちの作業が完了すると、大きな班に回って作業を手伝いました。時間の関係から面積の大きい植栽地の縄賭けは大人が完了させましたが、後日の生徒の感想では、最後まで自分たちでやりたかったとのことでした。

 (茨城新聞に記事が掲載されました。クリックしてご覧下さい。)→

花に溢れた北条小学校 植栽地の事前調査をする宮脇先生 耕起、土盛り、土留めを施して植栽地造成

花に溢れた北条小学校

植栽地の事前調査をする宮脇先生

耕起、土盛り、土留めを施して

植栽地造成

植える 12班完了 10班完了

植える

12班完了

10班完了

藁かけ 看板① 看板②

藁かけ

看板①

看板②

 

13.宮脇昭先生、当会圃場見学

 11月8日、北条小学校植樹祭終了後、宮脇昭先生は当会の圃場を見学されました。晩秋の穏やかな陽光の中でしっかりと育つ苗をご覧になり、大変立派に育っていると日頃の労を労って下さいました。育苗作業に汗を流すメンバーらと懇談した後、明日の植樹祭ヘ向けて出発されました。

圃場内を見学する宮脇先生① 圃場内を見学する宮脇先生② メンバーとの記念撮影

圃場内を見学する宮脇先生(中央)①

圃場内を見学する宮脇先生②

メンバーとの記念撮影

 

14.東京都海の森にスダジイの苗を寄贈

 寄贈したスダジイの苗東京都が東京湾中央防波堤付近の埋立地に造成する「海の森」では、使用する苗を育てる団体を募集、当会も2008年に応募、スダジイの種からポット苗を作り、3年間育苗した本年11月9日、200鉢の苗を寄贈しました。

 同月12,13日には海の森の植樹祭が開かれました。当日の詳細はこちらから。http://www.uminomori.metro.tokyo.jp/

 

 

15.ジャイカ研修生、当会圃場で研修

 ジャイカ横浜が主催し、(財)地球環境戦略研究機関・国際生態学センターが協力する潜在自然植生に基づく緑環境再生を学ぶ研修に参加した、ベトナム、ミヤンマー、ラオス、ケニア、インドからの研修生9名が、11月28日、45日間に及ぶ座学、実学の研修の一端として、当会の圃場で育苗全般を見学、土づくりやポット苗づくり実習を行いました。

 約5万鉢の苗を管理する圃場では、シイ、タブ、カシなどの1年生、2年生、3年生苗を見学、水遣り、病気の対策、行政との関連性、資金繰りや収益など沢山の質問が次々と出されました。馬糞、木材チップ、土、石灰等を混ぜてのポット苗用の土づくりや、ポット苗づくりにも挑戦。マルチング用の稲藁の保管や、3年前に圃場内の一角約400㎡に植えられた約1600本の苗の成長も観察、ドングリの収集から植樹までの全般を手がける当会の市民活動の実践を研修されました。

 その後、つくば市の国際協力機構(ジャイカ筑波)へ移動、石村理事長が当会の活動全般を英語でパワーポイントを使用しながら発表しました。

記念撮影 育苗全般について沢山の質問がなされる 熱心に説明を聴く研修生

記念撮影

育苗全般について沢山の質問がなされる

熱心に説明を聴く研修生

土づくりの実習① 土づくりの実習② ポット苗のつくり方の実習①

土づくりの実習①

土づくりの実習②

ポット苗のつくり方の実習①

ポット苗のつくり方実習② 3年前植樹の苗の成長を見学 活動の様子を英語で説明する

ポット苗のつくり方実習②

3年前植樹の苗の成長を見学

活動の様子を英語で説明する

石村理事長

 

16.中国雲南省西双版納タイ族自治州孟海県でのどんぐりポット苗づくり指導
   雲南省感動の出会い

 中国雲南省は、東アジア地域の植生発生の本源地の一つといわれています。ここで発生したというシイ、タブノキ、カシ類などの北限が日本。ところが、現在の日本でもこの本来木たちの被覆率は0.06パーセントといわれています。日本全土の面積よりも約二万平方キロメートル多い約39万平方キロメートルの面積を持つ雲南省。南部シーサンパンナなどの暖地海抜500メートルから、およそ6000メートル前後にせまる高山帯まであります。熱帯、亜熱帯、温帯、寒帯の気候を持つ内陸の省です。

 しかし、現在の雲南の緑被覆率は38%。かつて深い緑につつまれていた山野は、現在、急速な開発伴い、上空からは赤色の地肌を各地にみせて、蛇行する赤濁の流水が、谷筋をくだっています。

 今回は2011年11月28日から同12月1日までの4日間の植生調査と現地の焼畑山地の緑再生地視察でした。幸い国土交通省の助成をえて、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭博士と二人の踏査行となりました。同博士とは、昆明市の海口などにつづいて3度目の雲南省調査です。

 現地へは、いくつものルートはありますが、まず、日本の成田を発って、北京経由で昆明入り、ここで一泊して翌日朝の便でシーサンパンナの景洪に着くや、現地林業局の楊所長の出迎えで緑再生の曼稿保護区へ。見渡すかぎりのバナナ畑を左右に見ながら、西へ。

 海抜500メートルの景洪から、1100メートルの孟海へ向かいましたが、この間、車で快適な山間路を所用約40分。なだらかですが、流れをはるか眼下に見下ろす山地の中腹路で、大型ダンプも多い道です。

 眼にする光景は、深い谷筋から尾根の山頂にかけて人力で開拓したというゴムの木で満ちています。熱帯域から、やがて海抜700メートルをこえるあたりからは左右の山地斜面は、なべて茶畑にかわります。孟海です。

 山には、杉林、竹林、雑木林なども散在し、人家のある路上わきには、マンゴーやパパイヤが自生しています。

 宮脇方式による曼稿地区の緑再生地は、全体で約800ム(約52800㎡)あり、そのうちの10ム(6600㎡)を特定しています。宮脇博士は現地の緑再生地に満足されました。

 つづいて、ハニ族の女性たちが苦心してつくった苗圃を視察。歓迎された育苗する女性たちに、要点を説明した宮脇博士。現在、この緑再生の費用は、三井物産株式会社の環境基金の助成を願って、依頼中で、現地農民の実現への期待は大きいです。

曼稿地区で宮脇先生とドングリを拾うハニ族の女性たち 育苗圃 宮脇方式による植樹予定地

曼稿地区で宮脇先生とドングリを拾う

ハニ族の女性たち

育苗圃

宮脇方式による植樹予定地

 2日目は、孟海から、空港のある景洪へもどる中間地点にある茶で知られる南糯山を楊所長の案内で登りました。

 海抜1100メートルレベル。濃い朝霧の中、蛇行する細い急坂を車でのぼり、茶栽培農家のある地区に着きました。にわかに霧がはれて、快晴な空でした。ここに車を止めて、徒歩で約40分、山を登りました。

 栽培600年、700年の茶木があります。折よく栽培者がいて歓談。先祖伝来の茶園だということです。年間茶園だけて10万元以上(150万円)だそうです。「オレよりも収入が多いよ」と楊所長。 この山の茶園の上方、尾根筋にあたる稜線にそって、珍しく巨木がたちならんでいます。そのいちばん手前の巨木をさして、山をのぼりつづけている宮脇博士がポツリと一言。 「あれは、シイの木じゃないかね」 大人3人が、ようやく手をまわせると思える太さで約30メートルを越すだろうシイの木。根元には三層、五層にも重なって落ちたシイの実がビッシリです。

 ふと、シイの木から眼下の開けた里山方向へ眼をうつすと、10メートルほどの路側のすぐそばに傘を開いたような木姿のタブノキがああります。

 南糯山を下りて空港への途次、ハニ族の食堂で昼食。テーブルの周りの椅子にドッカリと腰をおろすなり、笑顔満面の宮脇博士の口から意図せずにもれた一言 「今日は、私は幸福そのものです」と。

 これまで3度、ご本人の希望もあり、訪雲のたびに調査しつづけてきましたが、この日ほど明白にカシ、シイとタブノキを確認できたのは初めてのことでした。

南糯山で見つけたシイ 南糯山で見つけたタブノキ 宮脇先生

南糯山で見つけたシイ(左)とタブノキ(右)

宮脇先生

 「雲南こそ、シイ、タブノキ、カシ類の源点」という宮脇博士の持論が、証明される形となったといえましょう。

 

 

 

 

(植樹ツアー・7初旬実施予定)  (ルポ・須藤高志記/通訳・王玉山)

17.インドネシア ロンボク島の研修会に参加して

 「NPO法人地球の緑を育てる会」所属会員の一人として、2011.12.9~19までの11日間、(財)国際緑化推進センター(JIFPRO)主催の「海外林業人材育成研修」に参加してきました。

 参加のきっかけになったのは、昨年10月に開催された「世界森林アクションサミット」でした。 日本、オーストラリアや東南アジアなど世界12ヶ国から多くのNPO、NGO、一般企業法人などの関係者が集まり、地球の森林問題について熱心に討議し、問題解決のため具体的に活動している姿を見て自分も現地へ行ってこの目で実態を見てみたくなり応募しました。

 応募は研修参加の動機を1000字程度にまとめた小論文と、英語力を問われました。最終的に12名が合格しましたが、そのうち7名が大学生、大学院生、3名がNGO所属で海外にて活動している20代30代の人達で、70歳の私は突出していました。

 2日間国内研修し、現地では座学・フィールドとも英語でした。久しぶりの英語のヒアリングは自分の老化と相俟って苦労しました。

 研修内容については「地域住民参加による森林保全事業」「アグロフォレストリーの事例」「荒地緑化による生物多様性の回復」「JIFPROプロジェクトによる日本企業のドナー事業」等々に加えて苗木育成の圃場も見学しました。
講師は、地元のマタラム大学教授、インドネシア科学技術院教授、州森林局長ほかにマタラム大学院生、研究生なども受講生に加わって総勢20名くらいで移動しました。

 見学した圃場は広い敷地の中に約40万鉢、樹種10種くらい(アカシアマンギュローム、センダンなど)、縦横約60㎝のトレーに81ポット(9p☓9p) ポットは口幅約5㎝ 深さ約18㎝の円錐形 土は椰子の実を砕いたものと土を混ぜたもので、ポットが小型で軽量なのは運搬移動コストの軽減のため、植樹幅は3m☓3mや6m☓2mなど・・・

 「JIFPRO」は20年近く事業展開している中で15年経過したプロジェクトはすでに大きな森林を形成し、野生猿が住み生物多様性も回復しているのがこの目で確認できました。成長が早い、樹が大きいという印象でした。

 何しろ広大な面積の森林減少劣化防止・保全事業を、アグロフォレッストや燃料用木材森林を地域住民と協働しながら、国家事業として、国立大学や科学技術院などの専門機関と共同して推進し、日本の「JIFPRO」がトヨタやパナソニック、早大など日本の企業と連携してノウハウと資金を提供、サポートして大きな成果をあげていました。

 東南アジアをはじめモンゴル、アフリカ、南アメリカなど世界各地で地球温暖化防止策としての緑化推進に向けて、多くの人達が参加して活躍しています。 私達も直接参加できなくてもNPO/NGOへの寄付による僅かな資金提供でも充分貢献できるのではないかと思います。 また、今それが求められているように強く感じました。

(三島良樹 記)