活動報告

“改元記念植樹祭” 第15回「筑波山水源の森づくり」が開催されました。

経緯と目的

 昭和初期、木材の燃料使用増加や自然災害等により、日本の主だった山林ははげ山でした。これを憂えて当時の林野庁や林業関係者が国土保全のための植樹を提唱、全国的に多くの針葉樹が植えられました。現在の「全国植樹祭」にもつながる第一回の植樹が行われたのは筑波山羽鳥地区の鬼ヶ作国有林内で、80年以上経過した2013年、この地は「全国緑化行事発祥の地」として林業遺産に登録されています。

 当時、住宅用建材などの使用目的で一斉に植えられた針葉樹でしたが、その後の安価な輸入木材に押されて使用されず、伐採適期を迎えながら充分に管理されていない樹林も多く見受けられるのが日本の現状です。当会では、筑波山神社林内の一部荒廃する針葉樹林を同神社と協議の上、間伐、除伐して造成、筑波山の土地本来の樹木を植えて水源の森としての機能向上に努め、2006年以降約4万本を植樹、初期の頃の植樹場所は健全な森を形成しています。産官学民の大きな連携のもとで水源涵養林としてだけでなく、温暖化防止等地球規模での環境課題の解消のための活動モデルとしての役目も果たすことを目的としています。

 このたびの令和というあらたな時代の幕開けを記念し、「水源の森づくり」も15回という節目を迎えることから、筑波山神社と綿密な協議の上、「改元記念植樹祭-第15回筑波山水源の森づくり」を行いました。

実施内容

■日  時: 令和元年10月27日

■主  催: NPO法人地球の緑を育てる会

■共  催: 筑波山神社

■後  援: 茨城県、茨城森林管理署、つくば市、筑波山地域ジオパーク推進協議会、

       つくば観光コンベンション協 会

■助  成: イオン環境財団

■協  賛: 和興フィルタテクノロジー株式会社

■協  力: 筑波山宮前振興会、アステラス製薬株式会社、株式会社常陽銀行、株式会社ユーキャン、土浦ラインズクラブ、いのちの森2020、明るい社会づくり筑浦協議会

■参加者数: 氏子総代会、明るい社会づくり筑浦協議会、水戸教会、和興フィルタテクノロジー株式会社、つくばジャイカ、 当会会員、一般など合計358人

■面積本数: 500㎡ 1200本

■樹  種: シラカシ、、ウラジロガシ、アカガシ、スダジイ、タブノキ、ヤマザクラ、コナラ、ユズリハ、シロダモ、ヤブツバキ、イヌシデ、サカキ

■天  候: 曇り、無風、穏やか

■開会までの準備作業

圃場: 1200本の苗の選択や運搬用カゴへの均等な分配、荷詰め作業などを行いました。

 ドングリを播種、良質の苗となるまで約3年育苗管理します。植樹適期の苗12種、1200本を生態系のバランスに合わせて選び、運搬用のカゴに12鉢づつ、どのカゴにも苗の偏りがないように分配します。この作業は、植える時に苗  のばらつきやかたよりがないようにする重要な作業です。

植樹地: 間伐、造成、耕起作業など9月初めから準備しましたが、10月中旬からの台風19号、20号、局地的大雨の襲来で予定通りには山に入ることができず作業が遅れ、すべてが整ったのは植樹祭前日。

      

■開会式

企業、団体、インターネット申込の方々など、300名の予定を超える358名の参加者が集いました。

      

■基調講演

畠山重篤先生は気仙沼市で牡蠣の養殖業を営む傍ら、豊かな海を守るためには、山間部上流の森林が果たす役割の大きさに着目し、気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山での植樹活動を始め、その活動を出版物を通じて世に発信、国連フォレストヒーローや京都大学フィールド化学教育センター社会連携教授を務めるまでに高く評価されるに至っています。

先生が理事長を務めるNPO団体「森は海の恋人」の英訳:Sea is longing for the forest は深く美智子上皇后様との交流に由来しているとのお話は、参加した人でないと聴けない内容で、後日、沢山の方から感動したとの連絡を受けました。度重なる河川の氾濫という大災害に遭遇した日本、海、河川、山林の関係や山林保全の大事さを理解して頂き、そして皇室に繋がるお話は令和という時代を迎えるにふさわしいお話でした。

      

■植樹

参加者は4班に分かれ、手作りの案内表示に従って植樹地へ。途中、苗のカゴを受け取って、各自、自力で植樹地まで運びます。200段ほどの石段を登る過程が一番きついかもしれません。植樹地に着くと、東京農業大学教授・田中信行先生の筑波山の成り立ちや、誕生以来4000万年の歴史のある筑波山は生態系的にも大きな価値を持つことなど有意義なお話を伺いました。その後、植え方説明や班のリーダーの指導に従って、一斉に植えはじめ、予め耕起してある植樹地で、植えやすいものでした。

      

■閉会式

閉会式では、田中信行先生のこの植樹祭への総評を頂きました。「国土の7割を占める森林を保全するのは概ね国の仕事であるが、NPO団体がこのようなイベントを通して、森林保全の重要性を示していくことは重要だ。しかし、現在、このようなイベントを行う団体が非常に少ない。その意味において、これだけの植樹祭を行なったことは高く評価されると思う。

植樹祭の最後を締めくくるのは、神社にふさわしい書道のパフォーマンスです。書き下ろす山本玲葵氏は1998年より東京で青山教室、世田谷教室開設、隋鷗書道会、漢字師範・仮名師範で毎日書道展など受賞多数。書の源流である里山での野外活動から、日本文化への理解や環境問題を考える講座「アウトフィールド書道」を2015年より継続実施。多くの参加者が周囲を取り囲む中で、「水源の森」の字が力強く、また流れるように書かれていくパフォーマンス、会場は静まり返り、やがて魅了されました。

   

続いて、随心門境内にて、アカガシ苗の記念植樹を行いました。筑波山中腹にはアカガシが多く自生、生態学的にも神社にふさわしい樹木です。筑波山神社宮司代務者・矢島忠孝氏と氏子総代会長・堤正則氏などが土寄せに携わりました。側には「令和記念植樹祭」の仮看板が設置され、いずれ「筑波石」の石碑に変わる予定です。この書も山本玲葵氏の作品です。

      

■お楽しみ会

畠山先生の貴重なお話、植樹、閉会式行事と続いた後は、昼食をはさんでリラックス、楽しい歌や踊りです!茨城県は古河市からのタヒチアンダンスグループMona O Te Moana(海の精霊)の皆さん。競技大会にも出場して入賞するほどの腕前、ならぬヒップ前、圧巻のダンスで会場を魅了しました。

   

筑波山と言えば「さーてお立ちい!」の出たしで有名なガマの油売り口上。78歳にはとても見えない小川さん、若い声で朗々と会場を笑いの渦に誘いました。

筑波大学生のサークル「フォルクローレ」によるアンデスの民謡。南米独自の楽器に合わせての歌に皆手拍子で盛り上がり、踊り出す人も・・・。

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