活動報告

「筑波山森育ワークショップ」が開催されました。【2017年2月26】

戦後、全国的に植えられたスギ、ヒノキ等の針葉樹等が伐採適期を迎えながら、管理不足や運搬面での問題から未利用のまま放置されているところが全国的に多いことが指摘されています。

木材活用が評価されている現在、今後は植樹だけでなく、樹木活用を積極的に行い、育てる、植える、伐る、使うの循環を世に発信していくことを目的として2月26日(日)、110名が参加して森育ワークショップが行われました。

活動はつくば市の筑波山神社林内とつくばみらい市の当会圃場の2ヶ所で実施されました。

受付
受付

開会式
開会式

筑波山での活動

筑波山神社林内での ①苗作り、②植樹、③伐倒見学 が行われました。

地元の参加者のみならず、首都圏、つくばジャイカで学ぶ発展途上国の研修生20名、つくば市で働く中国人8名など合計110名が参加しました。青木正篤国土緑化推進機構常務理事、下平敦茨城森林管理署長、秋葉筑波山神社禰宜の挨拶等の開会式の後、4班に分れて活動地へ移動しました。

①苗作り(白雲橋登山道入り口近くの駐車場で)

つくばみらい市の圃場で発芽したアカガシの幼苗(裸苗)のポットへの移植を一人ひとりに体験してもらいました。ポットの中心で苗を持ち、根部と幹部が案配よく分れる点まで土を入れて、ポット苗に仕立てます。子供づれの家族などは特に積極的に子供達への指導を行っていました。

苗作り体験➀
苗作り体験①

苗作り体験②
苗作り体験②

②植樹

苗作り体験場所の隣に置かれた10種(シラカシ、アカガシ、ウラジロガシ、スダジイ、ヤマザクラ、コナラ、タブノキ、シロダモ、ヤブツバキ、ユズリハ)800本の苗(60籠に分配)を参加者が一籠ずつ担いで植樹地まで運び挙げますが、途中200段の階段を上らねばならず、現場に到着するまでが一仕事です。4班に分れて植樹、その後、苗の保護、土砂流失防止などを目的として間伐材の葉を活用してのマルチングを行いました。

植える
植える

マルチング
マルチング

③伐倒見学

植樹に至るまでには植栽地の造成が不可欠、不適切なスギ、ヒノキ等を間伐、その丸太を活用して土留めに設置します。これらの作業は、植樹祭前に準備しておきます。本来であれば間伐した材が麓に下ろされ、使用されて初めて樹木の循環が繋がるのですが、間伐作業がいかに困難で慎重さを要する作業であるかを参加者に理解して頂くことを目的に伐採作業の見学を行いました。
下平敦茨城森林管理署長の何故、間伐が必要かのご説明を頂いた後、倒れる方向を山側に定め、参加者は安全な場所に移動した後、笛の安全確認合図とともに伐倒作業開始、普段の生活では見られない迫力と緊張の現場を体験、伐倒されると参加者からは歓声と拍手が起りました。

閉会式の後、午前中の作業のみの参加者は帰宅の途へ、午後からの木工体験参加者は会場となるつくばみらい市の当会圃場へ移動しました。

伐倒見学
伐倒見学

つくばみらい市圃場での活動

④木工体験

76名(ジャイカ研修生全員、中国人全員を含む)が参加、12時30分に到着後、準備されたカマド炊きご飯を卵かけご飯、カレーなどで楽しみました。かまどご飯が美味しいのは薪の効用があることを説明、電気釜とはひと味違う米の味を堪能しました。

カマドご飯
カマドご飯

カマドご飯を楽しむ
カマドご飯を楽しむ

木工体験ができるのは20名限定、東京芸術大学を卒業後、一般社団法人TOBUSA を運営する白田祥章氏等の指導を受け、保護者とともに子供達も真剣にノミを動かし、1時間半で小皿を彫り上げました。参加者は非常に楽しく、有意義な経験ができたとの感想でした。

木彫り体験①
木彫り体験①

木彫り体験②

木彫り体験②

 木工体験ができなかった参加者は、野外で書道家・山本玲葵さんの指導を受け、書を体験、中でもジャイカ参加者は非常に興味を持って熱心に筆を動かしていました。書に必要な和紙は勿論木から生産、薪、木彫り小物、和紙を通して木材使用を改めて体験し、、育てる、植える、伐る、使うの樹木の循環を一つの形にして体験するワークショップは、参加者の満足の中に無事終了しました。

書道体験①
書道体験①

書道体験②
書道体験②

集合写真(筑波山)
集合写真(筑波山)

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