コラム

不便は健康にいい!

 友人と話をしていて、何気なく友人が言った言葉「不便は健康にいい!」、これを聞いて私は「なるほど~」と即座に、しかもえらく感心してしまいました。いつも私が最近思っていることをくどくど説明するより、一言で簡単に言えたらどんなにいいかな~と思っていたことがズバリ命中した感じだったからです。

 敗戦後、生活を立て直すために皆必死に働き、豊かさや便利さを求めて高度経済成長時代を迎え、やがて、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック等経済的変遷を経て、今、このコロナ禍の中で改めて思うことは豊かさや便利さの裏に潜む様々なマイナス要因が浮き彫りにされてきたな~と思うことです。

■車が便利→ 歩ける距離なら歩いた方が健康にいい

■エレベーターが便利→ 階段を昇り降りした方が足腰を鍛えられる

■ベッドは寝起きに便利→ 昔の押し入れからの布団の上げ下ろしは腕の筋肉を鍛える

■スーパーやコンビニに行けば今すぐ食べられる弁当的ものはすぐ求められる→ 食品添加物、栄養や家計を考えたら自分でつくるのが一番。

■木がないと枯葉の掃除が要らないし、日陰にならなくて気楽→ いやいや、木がなかったら炭酸ガス吸収してくれないし、枯葉の肥料活用もできないし、何よりもフェトンチット一杯の森林のありがたさも味わえない。木陰で頂く弁当は格別、それだけで健康になる!樹木が無くなった成れの果てが砂漠、生きていけない!

などなど

 2015年国連のサミットで世界のリーダー達が決めた国際社会共通の目標・SDGs(持続可能な開発目標)がだんだん浸透してきました。テレビのコマーシャルで「SDGsって何?」という問いに対し、有名人がいろいろと答えていましたが、その中で俳優の香川照之さんが、「少し昔に戻れってことだよ!」と豪快に言い放つのが印象的でした。「ポツンと一軒家」「キャンプ特集」「おうちレシピの料理番組」などが盛んに放映されるのは、便利さに頼らない生活特集のような気がします。

 便利になって良かったことは枚挙に暇なし、ありがたい時代を生きていますが、SDGsの目標を掲げなければいけないほど、世界情勢や地球環境はマイナス面を抱えているのです。少し、昔の生活を思い出し、少しの不便を「いいこともあるよ」と享受して、コロナ禍の中での暮らし方を工夫したいものです。健康にもいいし、17項目のSDGsの目標達成のためにも。目標は「でかい」けれどできることは「小さい」です。でも積み重ねればやがて大きくなりましょう。

                                                                      石村章子

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