活動内容2004
1.中国内蒙古自治区  錫林郭勒盟渾善達克沙地の植林 4月20日〜28日)

 内蒙古自治区錫林郭勒盟渾善達克沙地の一角にポプラ、ニレ、アンズを主とし、ニンティアオ、サジ、ホンリュウ等の潅木類を加えて約7万本の植林を行った。これは2002年10月現地を視察した宮脇昭・横浜国立大学名誉教授と李蓮蓬・錫林郭勒盟林業局長が協議し、環境林の造林に合意したことによる。
 林業局はもとより中日の架け橋となる王蒙志氏と、日本から出向した塩田修二氏の協力のもと、現地の農民の方々によって、植林された。資金支援は広島県の光明山法瀧寺ご同行の皆さまに由るところが大きい。同林業局長より、光明山法瀧寺のご同行の皆さまに感謝状が贈られた。
 また、宮脇先生の指導で育苗されている北京市延慶県林業試験場のモンゴリナラも120鉢輸送して、試験的に苗甫に植樹。現地の本来木として今後、貢献するだろう。

搬入されるポプラ苗 搬入されるポプラ苗
植林した現地の奥さんたちと塩田さん 植林した現地の奥さんたちと塩田さん

2.シルクロ−ド天山南路の旅 (4月8日〜18日)

 4月8日〜18日の11日間、西安からキジル千仏洞までの5000キロを51人で旅し、 仏跡を現在の現地の姿に学びながら、植林もしてきた。早稲田大学名誉教授・長 澤和俊先生と横浜国立大学名誉教授・宮脇昭先生も同行された。西安市郊外で、全員でポプラの記念植樹をした。
 シルクロードは、文字通り、絹の道である。が、砂の道でもあり、加えて文化、宗教、芸術、はては金銀の行き来した道でもあった。現在、石油、ガスの道であり、あらゆる物資の交流と共に観光の道がある。かの大唐長安の都、つまり今の西安は700万都市。兵馬俑、楊貴妃の華清池、玄奘の大雁塔、鳩摩羅什の草堂寺、空海の寺などがある。西安で植樹し、市政府の歓迎を受けた。敦煌は砂中の河岸に掘られた石窟に経典にそった仏画、仏像の名品が並ぶ。楡林窟もまた印象に深い。長澤先生は、訪中発掘75回以上、交河故城での金冠発掘など、その功績は高い。トルファン地域の石窟群と共にバザールや油井が眼影にのこる。天山山脈の天池は、青天白雪、標高2000メートルの湖景である。砂の景から大森林と湖の景観には心潤うところである。さらに砂道を経て、キジル千仏洞の鳩摩羅什法師ゆかりの石窟236窟には、破壊があるものの往時を偲ぶ画像が残っている。心打たれる。
 この旅の感動は、A4サイズ,62ページ、オールカラーの文集として纏められた。
 また、10月6日〜13日の日程で13人が、北京、ウルムチ、トルファン、敦煌、西安のコースで中国のシルクロードを学習。敦煌では、全員で沙棗を植樹した。


西安市郊外で記念植樹
交河古城で記念写真
交河古城で記念写真 (文集の表紙)

3.カンボジアの調査 (4月30日〜5月5日)

 カンボジア難民のオク・ビチュエ氏は、日本と母国を往復しながら、ポルポト政権の戦禍生々しい母国カンボジアの復興に私財を投じて貢献している。同氏に共鳴した団体や学校が小学校建設に寄与しているが、井戸やトイレ、更に周囲の緑環境も整えたいとの意向を受けて、横浜国立大学名誉教授・宮脇昭先生ら一行6名が、首都プノンペン市近くのプレイベイン州、コンポンスプー州を中心に現地の自然環境を調査した。
  今後、多種にわたる本来木の選定や、植樹の時期や方法を系統だてるための更なる調査が必要になると思われる。

タ−バインの種を拾う
タ−バインの種を拾う
プレンベイン州の農村風景
プレンベイン州の農村風景

4.いのちの森づくり

 産業廃棄物を処理する三協興産株式会社は、川崎市扇町にリサイクル工場を新設するに当たり、工場敷地周囲の一部180uに、宮脇先生が実践する防災環境林をつくることを決め、当会はその準備と手配を行った。竣工式当日の9月17日、宮脇先生の講演があり、式典参加者の植樹への理解を促した後、参加者による植樹が行なわれ、シイ、タブ、カシを中心に48種類840本が植樹された。残りの敷地の植樹は2005年春、実施の予定。

新工場竣工式
新工場竣工式
植樹祭
植樹祭

5.ポット苗の育成

 2000年秋にスタート。シイ、タブ、カシを中心とするドングリポット苗の育成は、茨城県伊奈町(現つくばみらい市)の苗甫で続けれている。これは宮脇先生の「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」をポット苗作りの段階から実践しようというもので、茨城県土浦市に拠点をもつ明るい社会づくり筑浦協議会の会員の皆さまの日々の努力によるところが大変大きい。
  2004年は、横浜市や茨城県石岡市の植樹祭に苗を寄贈したり、三協興産株式会社の植樹祭にタブ苗を出荷した。今後も育苗、管理は継続される予定。

明るい社会づくり筑浦協議会の方々
明るい社会づくり筑浦協議会の方々
2004夏タブ苗
2004夏タブ苗

6.市民フォ−ラムへの参加

 6月12日横浜市、毎日新聞、(財)国際生態学センター、(財)横浜市緑の協会の主催で市民をフォーラム「あすえよう地球にいのちの森を」がパシフィコ横浜会議センターメインホールで行われた。
 中田宏横浜市長、宮脇昭横浜国立大学名誉教授の基調講演の後、企業、行政、民間団体の事例報告や総合討論と続いた。当会理事長石村も民間団体として参加、活動の一部を発表した。この内容は、後日、毎日新聞より書籍として纏められ、「あすを植える」と題して書店で販売されている。

 (購入ご希望の方は、当会までご連絡下さい。

明日を植える
あすを植える